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NBA

1999年以来のファイナル進出へ――ニックスのブラウン新HCが名将ポポビッチから学んだ“成功のレシピ”<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.10.22

ブラウン新HCは、古豪ニックスを27年ぶりのファイナルへ導けるか。(C)Getty Images

ブラウン新HCは、古豪ニックスを27年ぶりのファイナルへ導けるか。(C)Getty Images

 昨季、カンファレンス・ファイナルまで勝ち進み、NBAファイナル進出まであと2勝に迫ったニューヨーク・ニックス。今季は1999年以来27年ぶりの大舞台へ、と選手たちはハングリーさを掻き立てられていることだろう。

 ジェイレン・ブランソン、カール・アンソニー・タウンズ、ミケル・ブリッジズ、OG・アヌノビー、ジョシュ・ハートといった昨季のコアメンバーは全員残留。最も大きな変化は、チームを束ねる指揮官の交代だ。

 新たに就任したマイク・ブラウンHC(ヘッドコーチ)は、最優秀コーチ賞を2度(2009、23年)受賞している55歳のベテラン指揮官。前任のトム・シボドーはレギュラーシーズン中からローテーションを固定し、主力を長時間起用するタイプだったが、ブラウンHCは手持ちの戦力をより幅広く活用する。

 プレシーズンでは、昨季は18試合で平均6.2分の出場だった2年目のフォワード、パコム・ダディエを先発に抜擢し、同じく2年目ガードのタイラー・コーレックにも毎試合プレータイムを与えて感触を試していた。

 こうした「自分はこのチームの一員だ」と感じられる重要性を、ブラウンHCはアシスタントコーチ時代に名将グレッグ・ポポビッチから学んだと、チームの公式YouTubeチャンネルで明かしている。
 
「人をマネジメントする力において、彼(ポポビッチ)が最高の指揮官であることに議論の余地はない。彼はチームの1番から15番目の選手まで全員に、『自分はこのチームの一部なんだ』と感じさせていた。チャンピオンシップを獲得したシーズンは、用務員や秘書の人たち、さらには街中の誰もがそう感じていたと思う。そうしたリーダーシップこそ、誰もが目指すべき理想の形だ」

 その上で、ブラウンは自身のコーチングスタイルを“プレーヤーズコーチ”と呼んでいる。

「私は選手たちに自主性を持たせる“プレーヤーズコーチ”でありたいと思っている。例えば、ジェイレン(ブランソン)がパスを出した後にスクリーンに行ったら、その動きを活かしてどんなプレーができるかを全員で考え、ゲームを作っていくんだ。コーチが『こうしろ、ああしろ』という古風なやり方はもう通用しない。

 コーチはリーダーシップを取る立場として“チーム全体の目標”を明確にする。そして選手それぞれがその目標に向かいながら、個人で挑戦したいことにトライしていく。それができれば、成功のレシピになる」

 そうした選手の自主性を尊重した指導が実現できるのは、経験豊富なメンバーがいるからでもある。キャンプ開始後のトレーニングでブラウンHCは、何も指示しなくとも選手たちが自主的に動く姿を見てワクワクしたと語っているが、とりわけブランソンの戦闘意欲の旺盛さは、「これまで見たことのないレベル」で圧倒されたと振り返る。
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