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NBA

NBA引退後は母国クラブの経営者に。第2のキャリアへ踏み出したトニー・パーカーの野望とは

小川由紀子

2020.03.31

現役時代から母国のクラブに投資し、引退後すぐにオーナーに就任したパーカー。第2のキャリアにも大きな注目が集まる。(C)Getty Images

現役時代から母国のクラブに投資し、引退後すぐにオーナーに就任したパーカー。第2のキャリアにも大きな注目が集まる。(C)Getty Images

 世界一の競技人口を誇るバスケットボール。その最高峰リーグであるNBAには世界中から優れたプレーヤーが集結し、特に2000年代以降は外国籍選手の数も飛躍的に増加した。では、NBAで活躍した欧州プレーヤーたちはその後、どのようなキャリアをたどっているのか。第一線を退いた彼らの今をシリーズで紹介しよう。

 2001年6月、NBAドラフトでサンアントニオ・スパーズから1巡目28位で指名された瞬間、トニー・パーカーの輝かしいキャリアは幕を開けた。当時19歳ながら1年目からスターターに定着すると、その後17シーズン、スパーズの主軸を担い、4度のチャンピオンシップを獲得。フランス人初のオールスター選手になったほか、2007年のファイナルではヨーロッパ人選手で初めてMVPに輝いた。

 そして昨シーズン、マイケル・ジョーダンがオーナーを務めるシャーロット・ホーネッツでプレーした後、18年間の現役生活に別れを告げた。キャリア通算1万9473得点(平均15.5点)、7036アシスト(平均 5.6本)という素晴らしい実績とともに、パーカーが身につけた背番号「9」は引退後すぐにスパーズの永久欠番にもなっている。フランス代表でも2013年のユーロバスケット(欧州選手権)で金メダルを獲得するなど、アメリカ、フランス両国で、数々の栄光を手にしてきた。
 
 しかし、そんな輝かしい思い出に浸っている暇もないほど、パーカーは現在、新たな舞台で邁進している。その筆頭が、フランスのプロクラブ、アスヴェル・バスケットの運営だ。

 フランス第2の都市リヨンにある1948年創立のアスヴェルは、パーカーがオーナーに就任してからの2回を含めて、これまで国内最多19回の優勝を誇る国内きっての強豪クラブだ。パーカーは現役中の2009年から投資を始め、2014年には過半数のシェアを買い取ってオーナーに就任。現役を退いた現在は、名実ともに組織のトップとして精力的にクラブを率いている。

 2017年3月には、降格ゾーンにいた同じリヨンの女子クラブも買収し、翌シーズンからアスヴェルの女子部門に統括すると、わずか2年で国内チャンピオンへと昇華させた。アスヴェルは昨シーズン、男子はリーグとカップのダブル優勝、女子もリーグ優勝と国内タイトルを独占。今季は、男女揃ってユーロリーグに参戦している。
 
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