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NBA

NBA引退後は母国クラブの経営者に。第2のキャリアへ踏み出したトニー・パーカーの野望とは

小川由紀子

2020.03.31

NBAや国際舞台でしのぎを削りあったコビーからも「チャンピオンのメンタリティ」を認められた。(C)Getty Images

NBAや国際舞台でしのぎを削りあったコビーからも「チャンピオンのメンタリティ」を認められた。(C)Getty Images

 今年1月、パリで古巣のホーネッツ対ミルウォーキー・バックスの試合が行なわれた際、パーカーはコート上に招かれて久々に母国のファンの前でスポットライトを浴びた。現役時代と少しも変わらない、引き締まった体型が印象的だったが、「引退後のアスリートは体重が増えてしまいがち。緊張感から解放されるから当然ではあるが、僕はそれを良しとしていない」と、今でもサンアントニオの自宅敷地内に設けた専用コートでトレーニングを欠かさない。

 また先日、フランスでパーカーのキャリアを振り返るドキュメンタリー番組が放送された。そのなかで、今年1月にヘリコプター事故でこの世を去ったコビー・ブライアントがコメントを寄せていた。

「彼はクラブのオーナーとなり、バスケットボール界に投資している。それはチャンピオンのメンタリティそのものだ。多くのアスリートは、引退したあと何をしたらいいのか迷うものだ。しかし彼は見事にスパっと切り替えた。それはチャンピオンたる者が為せる業だ」
 
 現役時代、周りの選手を生かす司令塔として鳴らしたパーカーは、自身の引退後の活動について以下のように語っている。

「自分の強みは、『この人はこのポストに向いている』、『こんな役割が適任だ』ということを見抜いて、動かしていくことだと思っている。指導者というよりも、コーチを選んだり、マーケティングを展開したりといった、より全体的な運営をしていきたい」

 第2のキャリアにおいても、バスケットボールを基軸に、アメリカとフランスの架け橋としてトニー・パーカーはますます輝きを放っていくだろう。

文●小川由紀子

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