NBA

アイバーソン、ウェイド、ポールなど優秀なガードが着用した背番号3。出世頭を選ぶとすれば…【NBA背番号外伝】

出野哲也

2020.04.03

最も強い印象を残した3番はアイバーソン。高校時代からこの番号を着用している。(C)Getty Images

 野球界で背番号3と言えばベーブ・ルース、カーレースの世界ではNASCARの英雄デイル・アーンハートがすぐに思い浮かぶ。多くの日本人にとっても、背番号3は長嶋茂雄のイメージと直結しているはずだ。だがNBAでは、スーパースター級のプレーヤーが何人かいるものの、前述した選手たちのように「3番といえばこの人」と1人に絞るのは難しい。

 最も強い印象を残した3番となると、おそらくアレン・アイバーソンだろう。身長183cmと小柄ながら4度の得点王に輝いた稀代の名スコアラーは、高校の頃からこの番号。2001年には背番号3のプレーヤーとして、唯一のシーズンMVPを受賞している。全盛期を過ごしたフィラデルフィア・セブンティシクサーズ時代はもちろん、デンバー・ナゲッツ、メンフィス・グリズリーズでも3番。唯一デトロイト・ピストンズ在籍時だけは1番だったが、これはシーズン中に移籍した際は番号の変更が禁じられていたためだった。
 
 選手としての実力、実績では、3度の優勝を経験したドゥエイン・ウェイドがアイバーソンを上回った感がある。マイアミ・ヒート入団時からずっと3番で、その理由はキリスト教の教理である三位一体に因んだものという。ただし、2017-18シーズンに半年間だけクリーブランド・キャバリアーズに所属した時は9番をつけていた。

 アイバーソン、ウェイドはともに体格には恵まれていなかったものの、強気なプレーで得点を奪いまくるガードで、1990年代以降の背番号3はこのような系統が多い。ステフォン・マーブリー(元ニューヨーク・ニックスほか)とスティーブ・フランシス(元ヒューストン・ロケッツほか)はアイバーソン同様、スコアラーとしては優秀だったが、ポイントガード(PG)としての評価はさほど高くなかった。マーブリーは中国リーグでも3番を着用。2000年代後半から2010年代前半に活躍したブランドン・ジェニングス(元ミルウォーキー・バックスほか)も似たようなタイプで、ジョージ・ヒル(バックス)も純粋なPGというよりコンボガードに近い。
 
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