NBA

3チームによる下位シード争い。八村塁の所属するウィザーズにチャンスはあるか!?【2020プレーオフ座談会:イースト/後編】

杉浦大介

2020.05.26

新加入のアービング(右)の負傷やアトキンソンHCの退任など、不安定なシーズンを送ったネッツ。ただシェリダン氏は「爆発力のある彼らは1回戦で危険な相手になり得る」と語った。(C)Getty Images

 現地在住のNBAライターが今年のポストシーズンを徹底予想する『ダンクシュート』の人気企画「プレーオフ座談会」。今年は3月に開催されたが、当日にNBAからシーズン中断のアナウンスが流れ、記事はお蔵入りに。しかし、今季の回顧と再開後を展望する意味で、"幻の座談会"を一挙公開。イースト後編では、プレーオフ出場チーム、ファイナルに勝ち進むチーム、そして識者の注目選手を挙げてもらった。

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杉浦:地味ながら高勝率を残しているペイサーズはどう?

スプラング:ペイサーズはヴィクター・オラディポがケガから復帰以降、方向性が確立されていないように感じる。開幕当初はオールスターレベルのプレーをしていたマルコム・ブログドンが、オラディポとどう噛み合っていくか。ドマンタス・サボニス、マイルズ・ターナーとどうバランスを取っていくか。良い選手は多いし、ポテンシャルは感じるが、まだ一丸になり切れていないね。

シェリダン:昨季同様、絶対的なプレーメーカーがいないのも痛いな。オラディポはその素質を持っている選手だけど、まだ答えを示すには至っていない。

スプラング:それに比べ、セルティックスではジェイソン・テイタムがゴー・トゥ・ガイらしくなってきているのが大きいよね。もともとケンバ・ウォーカーがその役目を果たすはずだったのに、テイタムが浮上してきたんだから。

杉浦:プレーオフの最後の2席はどこが手にすると思う?現在7位がネッツ、8位がマジックで、9位は八村塁の所属するウィザーズだ。
 
シェリダン:ウィザーズはまだプレーオフに出られるほどのチームじゃない。おそらくネッツとマジックが進んでくると思うが、ネッツは不安定なシーズンを過ごした。カイリー・アービングが故障離脱した後、しばらくは好調だったが、また停滞している。スペンサー・ディンウィディーは闘志溢れる選手だけれど、消えてしまう時間帯がある。プレータイムや役割が増えて、疲労が溜まっているのかもしれない。アービングの精神状態に疑問が呈されたり、キャリス・ルバートの故障離脱、さらにケニー・アトキンソン・ヘッドコーチ(HC)退陣後に先発センターをジャレット・アレンからディアンドレ・ジョーダンに変更したり、いろいろなことが定まっていない。ただ一方で、爆発力のある彼らはプレーオフ第1ラウンドでは危険な相手になると思う。

スプラング:アトキンソン体制下でのネッツはディフェンス面で保守的だったけど、ジャック・ヴォーン暫定HCになって以降の2試合ではスイッチを多用したりして、よりアグレッシブに見えた。昨季を彷彿とさせるエナジーが久々に選手たちから感じられたことは、プレーオフに向けて好材料かもしれないね。

杉浦:ケビン・デュラント、アービングを加えて一躍注目チームになったネッツだけど、今季は波乱万丈だった。特に評判が良かったアトキンソンHCの退任はリーグ全体を驚かせた。2人はあの人事をどう思った?
 
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9位以下はどれも現時点では良いチームとは言えない