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NBA

ボウエン、バティエ、トニー・アレンーー彼らが“エースキラー”と呼ばれるに至った理由

北舘洋一郎

2020.05.28

ボウエン(右)やT・アレン(左上)、バティエ(左下)といった“エースキラー”の存在も、強豪チームの構築には不可欠だ。(C)Getty Images

ボウエン(右)やT・アレン(左上)、バティエ(左下)といった“エースキラー”の存在も、強豪チームの構築には不可欠だ。(C)Getty Images

 強豪と呼ばれるチームには多彩な才能を持った選手が多く在籍し、それぞれの役目をそつなくこなす。今日のNBAに至るまで、彼らに求められる役割は時代に応じて変化してきたわけだが、“エースキラー”として自身の名を轟かせた選手というのは、ファンの心に長く残り続けるものだ。

 2000年代にフォーカスした場合、そう呼べるプレーヤーの代表格はブルース・ボウエン(元サンアントニオ・スパーズほか)、トニー・アレン(元メンフィス・グリズリーズほか)、シェーン・バティエ(元マイアミ・ヒートほか)の3人ではないだろうか。

 彼らに共通しているのは「どのようにしてプレータイムを獲得するか」という自己目標がぶれなかった点。その意識を持ち続けたことで、いつの間にかエースキラーと人から評価されるようになったそうだ。
 
「例えカレッジ時代に“向かうところ敵なし”というスタイルでプレーしてきた選手でも、NBAに入ればさらに上のレベルの実力者がごまんといる。そのなかで“スーパースターになりたい”と夢を抱き続ける選手がいる一方で、あえてその道は選ばず、仕事として“プロの世界で生き残ろう”と考える選手も、決して多くはないが存在するんだ。そういうプレーヤーを見つけ出し、チームのなかで最大限に機能させるのが私のやりがいでもあった」

 そう語ったのは、エースキラーと呼ばれる選手を駆使して強豪チームを作り上げてきたパット・ライリーだ。彼はロサンゼルス・レイカーズでAC・グリーン、ニューヨーク・ニックス時代はジョン・スタークス、ヒートでもユドニス・ハズレムなど、戦う相手が“面倒だ”と毛嫌いするようなタイプのプレーヤーを発掘し、花咲かせるのが上手かった。

 ライリー以外でも、“名将”と呼ばれるヘッドコーチ(HC)はこの才能に長けた人物が多い。スパーズのグレッグ・ポポビッチHCもその1人で、彼に育て上げられたボウエンはティム・ダンカン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリというビッグ3を陰から支え、チーム在籍中の3度の優勝に貢献した。
 
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