専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
バスケW杯

オーソドックスに戦いすぎた日本代表…東京五輪で勝機を見出すには"奇策"も必要だ

鈴木栄一

2019.09.12

3大会ぶりにワールドカップに挑んだ日本は1次ラウンドで3連敗。順位決定戦でも2連敗と勝点を奪えず大会を終えた。(C)Getty Images

3大会ぶりにワールドカップに挑んだ日本は1次ラウンドで3連敗。順位決定戦でも2連敗と勝点を奪えず大会を終えた。(C)Getty Images

 9月15日の決勝でいよいよクライマックスを迎えるワールドカップだが、2006年以来の出場を果たした日本は1次ラウンド、そして順位決定ラウンドを合わせて5戦全敗で一足早く大会を終えた。

 今大会のチームは八村塁、渡邊雄太と2人のNBA選手を有し、帰化選手として元NBAのファジーカス ニックもメンバー入り。さらに今夏にNBAのサマーリーグに出場した馬場雄大や比江島慎と、過去最高のタレント集団として大きな期待を集めていた。しかし蓋を開けてみると全試合で2桁得点差をつけられるなど力の差を見せつけられ、惨敗に終わった。

 改めて世界の壁の高さを感じさせられた日本代表。大会後に各選手が語っているように、今の日本が世界で戦うには「すべてが足りなかった」というのが現実だ。ただ、調整目的のトレーニングマッチではない、ワールドカップという真剣勝負で対峙したからこそ、自分たちのどういった部分が不足しているのか文字通り、身を持ってより具体的に体感できたことは何よりの収穫だった。

 例えばフィジカルの差と一言でいっても、世界のトップチームとは純粋なパワーだけでなく、身体の当て方といったテクニックでも差があったこと。そして世界の舞台では少しでも弱気になると一気にそこをつけ込まれてしまうメンタルタフネスの重要性など、改めて突きつけられた課題は多岐にわたる。
 トレーニングマッチと本番で相手のプレーの質がどれだけ違うのかは、それこそワールドカップ本番の数週間前、日本が親善試合で対戦したニュージーランド、アルゼンチン、ドイツ、チュニジアの本大会でのパフォーマンスを見れば明らかだ。今後はそれぞれの所属チームに戻り、各自がそれぞれ高い意識を持って課題の改善に取り組んでくれることを期待したい。

 選手個人でいうと、最も光っていたのは渡邊だ。順位決定ラウンドのニュージーランド戦で30点差と大敗を喫した後、「相手も遊んでいて、日本代表として恥をかいてしまった」と自らを強く叱責し、大きなショックを受けていた。

 しかし、中1日で迎えた最終戦のモンテネグロ戦では、試合序盤から強気のプレーを貫き、ゲームハイの34得点と気持ちの強さを示してくれた。

 アメリカでの渡邊は、3ポイントと守備が武器の3&Dと見られがちだ。ワールドカップでは長距離砲は不発に終わったが、自らボールをプッシュし、そのままゴール下にアタックしてフィニッシュするなど、スラッシャーとして非凡な才能を披露。次のシーズンではオフェンスの幅を広げ、2WAY契約から本契約を勝ち取ってくれることを楽しみにしたい。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号