NBA

【NBA背番号外伝】敬遠されがちな“13”。しかしチェンバレン、ハーデンの新旧スコアリングマシンのほか、ナッシュら海外出身選手も多く着用

出野哲也

2020.11.09

忌み嫌われがちな13番だが、チェンバレン(左)&ハーデン(右上)の新旧スコアリングマシンのほか、ナッシュ(右下)ら外国人選手も多く着用した。(C)Getty Images

 "13"という数字が、キリスト教社会で敬遠されていることは周知の通りだ。かと言って誰もが忌み嫌っているわけではなく、逆説的にラッキーナンバーと捉える者もいる。NBAでも2019-20シーズンは16人が背番号13でプレーし、NBAの前身BAAが創設された1946年の時点でも、すでに5人が13番をつけていた。

 背番号13の最大のスターは、ウィルト・チェンバレンである。「俺にとって13はアンラッキーじゃない。対戦相手にとってアンラッキーなのさ」とうそぶいた怪物は、オールスターに13回選出。『ESPN』が選出した「20世紀の偉大なアスリート50人」では13位にランクされた。またNBAの歴史上でただ1人、3球団で欠番になっている(ゴールデンステイト・ウォリアーズ、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、ロサンゼルス・レイカーズ)。
 
 13番が永久欠番扱いになっている球団はそのほかにも4つあるが、うち3つまでは、背負っていた選手たちの実績は正直に言ってそれほどない。ポートランド・トレイルブレイザーズのデイブ・トゥワージックは4年間在籍して平均9.5点と平凡。1977年の優勝には貢献したが「いいチームにいたまあまあの選手」と自ら認めるほどで、サンアントニオ・スパーズで最初の欠番となったジェームズ・サイラス(通算平均16.1点)ともども分不相応な印象が否めない。シャーロット・ホーネッツのボビー・フィルズもキャリア9年で平均11.0点と大したことはなかったが、こちらは現役中に自動車事故で亡くなったため、追悼の意味で欠番になった。

 だがスティーブ・ナッシュに関しては、チェンバレン同様に欠番に異を唱える者はいないだろう。NBAキャリア18年のうち、10番だったレイカーズでの2年間を除きずっと13番。1998-99シーズンにフェニックス・サンズからダラス・マーベリックスに移籍してオールスター選手に成長し、2004-05シーズンにサンズへ復帰してからはスーパースターへ進化。2005、06年に2年連続シーズンMVP、アシスト王には5回も輝き、サンズの永久欠番となった。
 
NEXT
PAGE
海外出身選手が多く着用しているのが特徴