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NBA

サッカーだけじゃない!バスケでも強豪の地位を築くバイエルン、補強戦略はNBAの“Gリーグ化”?

小川由紀子

2020.11.27

欧州最高峰のユーロリーグで現在2位につけるバイエルン。NBAに定着できなかったボールドウィンらアメリカ人選手を重用し、好結果を収めている。(C)Getty Images

欧州最高峰のユーロリーグで現在2位につけるバイエルン。NBAに定着できなかったボールドウィンらアメリカ人選手を重用し、好結果を収めている。(C)Getty Images

 コロナ陽性者が多発したチームの試合が延期になるなど、混沌としている今季のユーロリーグで、一際勢いに乗っているのがドイツのバイエルン・ミュンヘンだ。第2節からクラブ史上初のユーロリーグ4連勝、10節を終えた時点で7勝3敗とバルセロナに次ぐ2位につけている。

 オフにヘッドコーチからロースターの主力まで刷新し、今季のバイエルンはフレッシュに新装開店といった感じで、選手の陣容はさながらNBAのGリーグのようでもある。

 チームの司令塔は、2016年のNBAドラフトでメンフィス・グリズリーズから17位で指名されたウェイド・ボールドウィン四世。16~19年までグリズリーズとポートランド・トレイルブレイザーズでプレーしたものの、なかなかNBAに定着できず欧州に活躍の場を求めた24歳だ。
 
 ほかにもビッグマンのジュワン・ジョンソンは2011年のドラフトでニュージャージー(現ブルックリン)・ネッツから27位指名され、ボストン・セルティックスでデビューしたあとは複数のGリーグチームを渡り歩いた。センターのジェイレン・レイノルズも昨季は一時Gリーグのストックトン・キングスでプレーし、パワーフォワードのマルコム・トーマスはサンアントニオ・スパーズを含むNBA5球団とGリーグ4球団を経て、今季バイエルンに加わっている。

 第9節のアナドール・エフェス戦では、昨季の首位チーム相手に残り2分からの大逆転勝利。最終クォーターに一時は10点差をつけられたが、ボールドウィンのゲームメイクから猛攻を仕掛け、最後は3点差で白星を奪っている。

 彼らのように、NBAにはもう少し手が届かない、あるいは再起を志す準NBAクラスのアメリカ人選手を採用するのは、バイエルンの補強戦略でもある。

 サッカーでは泣く子も黙る欧州の超名門だが、バイエルンのバスケットボール部門がユーロリーグ常連となったのはここ最近のこと。1946年にクラブ設立後、50年代には国内強豪の一角をなし、54年と55年にブンデスリーガ(ドイツのトップリーグ)で2連覇したが、70年代に入ると2部リーグに降格するなど後退し、一時は表舞台からも消えていた。
 
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