NBA

9月に引退も東京五輪には出場?ウォリアーズにコーチとして復帰したリアンドロ・バルボウサのキャリア

杉浦大介

2020.12.09

9月に引退し、古巣ウォリアーズのコーチに就任したバルボウサ。しかし、来年の東京五輪ではブラジル代表としてプレーしているかもしれない。(C)Getty Images

■ウォリアーズの黄金期を支えた男がメンターコーチとしてチームに復帰

 現役時代にサンズ、ウォリアーズという強豪チームでプレーしたリアンドロ・バルボウサが、9月14日に引退を表明。同時にウォリアーズのプレーヤーメンターコーチに就任することを発表した。

 2017年以降、バルボウサは母国のブラジルリーグでプレー。昨季も新型コロナの影響でシーズンが中断するまで、リーグ首位の平均20.1点をあげていた。それだけに、電撃引退に驚いた母国のファンは多かっただろう。ESPN.comの記事によると、今回の決断を下す上で、ウォリアーズのスティーブ・カーHCとの関係が大きな意味があったようである。

「彼は私のHCであると同時に友人でもあった。彼がサンズのGMだった頃に、引退後はHCではなく、アシスタントコーチになりたいと話したこともあった。選手と話したり、教えたりするのは得意だからね。今回、彼は私にその機会をくれたんだ」

 今年11月に38歳になったバルボウサはゲーム中はベンチの2列目に座り、練習時には選手たちを指導するのが役割になる。プレー面だけでなく、オフコートのアドバイスもできるだろう。ドラフト時にはほとんどノーマークの存在ながら、NBAで実に14シーズンという長いキャリアを築いたブラジル産のスコアラーは、コーチとしても貴重な存在になるはずだ。
 
 17歳の時にブラジルでプロ生活を始めたバルボウサは、03年にドラフト1巡目28位でスパーズから指名を受け、直後にサンズへトレードされた。当初はスティーブ・ナッシュのバックアップを務め、07年には平均18.1点をあげてシックスマン賞を受賞。マイク・ダントーニHCの下、ラン&ガン戦術で一世を風靡したサンズの貴重なベンチスコアラーだった。

 その後、ラプターズ、ペイサーズ、セルティックスでもプレーし、14-15シーズンからウォリアーズに加入。1年目からチームの40年ぶりの優勝に貢献し、翌年にはNBA記録となるレギュラーシーズン73勝を達成する偉業を支えた。この頃には英会話もかなり上達し、NBAでのキャリア晩年は外国人選手ながらチームリーダーとして認められるまでに至った。今回、プレーヤーメンターコーチとして白羽の矢が立ったのは、当時のコート外の貢献がカーHCをはじめとする首脳陣からも認められていたからに他ならない。