NBA

「ユタで優勝したい」フランス最高年俸のアスリートとなったルディ・ゴベアが明かす、“第2の故郷”への感謝

小川由紀子

2020.12.25

開幕前にジャズと5年の延長契約を結んだゴベア。フランスからユタに渡って7年、第2の故郷への感謝の思いは誰よりも強い。(C)Getty Images

 12月20日、ユタ・ジャズのルディ・ゴベアが、2021-22シーズンからの5年間で総額2億500万ドルにのぼる延長契約を締結した。これはヤニス・アテトクンボ(2億2800万ドル)、ラッセル・ウエストブルック(2億680万ドル)に次ぐ歴代3番目、センターとしては歴代最高額だ。

 年俸4100万ドルは、フランスの大先輩トニー・パーカーのサンアントニオ・スパーズ全盛期の1545万ドルをはるかに上回る。フランス北部の人口6万人ほどの町で生まれ育った青年は今や、キリアン・エムバペ、アントワン・グリーズマンら、ワールドカップ王者のサッカー選手たちをもしのぐ、フランスで最も高年棒のアスリートとなった。

 ゴベアの父は、フランスの海外県、グアドループ出身のバスケットボール選手だった。しかし幼い頃に両親は離別し、美容師の母がルディと兄弟・姉妹を育てた。
 
 地元のクラブでバスケをプレーし始めたのは10歳の時。すぐにバスケットボール協会のスカウトの目に留まって強化選手となると、ロドリーグ・ボーボワやケビン・セラフィンら、数多くのフランス代表やNBAプレーヤーを輩出したフランスきっての名門ショレ・バスケットでプロデビュー。18歳だった当時ちょうど成長期を迎え、15歳からの3年間で20cmも身長が伸びたという。

 ちなみにショレには現在、ジョン・ストックトンの息子のマイケルが所属している。ジャズのレジェンドと現スター選手をつなぐ奇妙な縁だ。

 2013年、21歳になった翌日に開催されたドラフトでデンバー・ナゲッツから1巡目27位で指名を受けたゴベアは、トレード先のユタ・ジャズでNBAのキャリアをスタートさせた。初年度はDリーグ(現Gリーグ)のベイカーズフィールド・ジャムでプレーすることも多かったが、クイン・スナイダーHCが着任した2年目からローテーションに定着。得点とリバウンドでコンスタントにダブルダブルをマークし始めると、シーズンの後半にはスターターに定着し、3年目からはスターティングセンターの座を不動のものとした。
 
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