NBA

クリッパーズのルーHCがコビーとの思い出を語る「『お前抜きに優勝できたかわからない』と言われて…」

秋山裕之

2021.01.24

コビー(左)との思い出を語ったルーHC(右)。2001年の優勝時にかけられた言葉が励みになったという。(C)Getty Images

 2020年1月26日(日本時間27日、日付は以下同)。この日、コビー・ブライアントがヘリコプター墜落事故により帰らぬ人となったことで、バスケットボール界だけでなく、世界中が悲しみに暮れた。

 ロサンゼルス・レイカーズ一筋、20シーズンを戦い抜いた稀代のスーパースターは、5度の優勝に18度のオールスター選出、15度のオールNBAチーム選出、12度のオールディフェンシブチーム選出など、数々の輝かしい実績を残してきた紛れもないレジェンドだ。通算得点も3万3643点、NBA歴代4位にランクしている。

 あれから約1年が経過し、レイカーズでコビーとともに2度の優勝を勝ち取ったタロン・ルーがこの件について回想。今季からロサンゼルス・クリッパーズでヘッドコーチ(HC)を務めるルーは、23日に『ESPN』へ率直な思いを明かしている。
 
「(コビーの死を)過去のものにしようとしている。でも彼が亡くなったことを受け止めることが本当にできないんだ。忘れようとはしているんだけどね。私にとってはタフなことであり、特に彼は自分にとって仲の良かったひとりだから……」

 ルーは1998年にドラフト1巡目23位でデンバー・ナゲッツから指名を受け、その日のうちにレイカーズへトレードされた。ケガに苦しんだこともあり、レイカーズに所属したのは3シーズン、出場もわずか61試合のみ。コビーと毎試合プレーしていたわけではないものの、2000、01年と2度のリーグ制覇を経験している。

「彼は素晴らしい男であり、最高の人間だった。オフィスに来た人たちは『コビーと一緒にプレーしてどうだった?』と聞いてくる。今でもそういう質問をしたくなるものなんだよ。だから彼はこれからも生き続けていくんだ」

 コビーへの思いをそう口にしたルーHC。現代はテレビ番組だけでなく、SNSを通じて世界中にコビーのハイライトシーンが拡散されており、多くの人たちがコビーの雄姿を目にする機会がある。

 だがルーHCは「今でさえ、タフなことなんだ。彼の映像や過去のゲーム、コマーシャルを観るのは、私にとっては今でも辛い」と苦しい胸の内を吐露している。
 
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コビーからの言葉がルーの励みに