2020年1月26日、NBAレジェンドのコビー・ブライアントがヘリコプター墜落事故でこの世を去った。
あれから早くも1年が過ぎようとしている。
41歳で非業の死を遂げた悲運のバスケットボールプレーヤーを偲び、昨年2月に発売された『コビー・ブライアント追悼号』に掲載した追悼コラムを再録する。
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■世界中を瞬時に駆け巡った衝撃のニュース速報
コビー・ブライアントのヘリコプター墜落事故死を最初に報じたのは、悪名高い芸能情報サイト『TMZ』だった。事故発生からわずか1時間半後の2020年1月26日午前11時24分(現地時間/日本時間27日午前4時24分)に第一報が報じられ、そのとてつもなくショッキングなニュースは、凄まじい速度で世界中を駆け巡り、拡散されていった。
その晩、僕は仕事で遅くまで起きていた。未明の午前5時頃、そろそろ寝ようと思いパソコンをスリープさせようとした際、ウェブブラウザの背後で開いていたツイッタークライアントのタイムラインがものすごい勢いで流れていることに気づいた。これまで目にしたことのない、異様な速さである。
見ると英字のツイートに混じって、コビーの写真が続々と流れている。あまりの速さに文字を判読できず、とりあえず適当なツイートをクリックすると、そこには衝撃の一文が。
〝BREAKING NEWS: Kobe Bryant dies in helicopter crash at age 41〞
一瞬、「あれっ、今日はエイプリルフールだっけ?」と思ったが、パソコンに表示されている日付を見るとまだ1月。いやいや、いくらなんでも冗談だろ、まさかそんなはずがない、と別のツイートをチェックすると、『ロイター』が白煙を上げるヘリコプターの残骸の画像を掲載している。恐る恐るリンク先のURLをクリックしてみたところ、そこには墜落現場の動画がアップされていた。
コビーを巻き込んだ大事故は、どうやら本当に起きてしまったようだった。コビーが死んだ……。アキレス腱を断裂しながらもシュートを打つ男が、誰よりも強靭な精神と肉体を持つ男が、41歳の若さで呆気なく死んでしまった。
言葉を失うほどのショックを受けると同時に、涙が止まらなかった。身内や知り合い以外の死で泣いたのは、いつ以来だろう。ひとしきり泣いた後、気が動転していたのか、今思うと呆れた行動に出てしまった。
まず、『DUNKSHOOT』の編集者にSNSメッセージを送付。それまで一度も送ったことのない相手であるにもかかわらず。初メッセージが死亡通知。そして別の編集者には、メッセージだけではなく電話までかけてしまった。時間はまだ午前5時過ぎ、起きているはずもなく、まったくもって迷惑な話である。
さらには、ずいぶん長い間書くのを止め、見るだけにしていたツイッターを、6年ぶりに1行書き込んだ。コビーへの鎮魂の一言。何のために書いたのかは自分でもわからない。
あれから早くも1年が過ぎようとしている。
41歳で非業の死を遂げた悲運のバスケットボールプレーヤーを偲び、昨年2月に発売された『コビー・ブライアント追悼号』に掲載した追悼コラムを再録する。
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■世界中を瞬時に駆け巡った衝撃のニュース速報
コビー・ブライアントのヘリコプター墜落事故死を最初に報じたのは、悪名高い芸能情報サイト『TMZ』だった。事故発生からわずか1時間半後の2020年1月26日午前11時24分(現地時間/日本時間27日午前4時24分)に第一報が報じられ、そのとてつもなくショッキングなニュースは、凄まじい速度で世界中を駆け巡り、拡散されていった。
その晩、僕は仕事で遅くまで起きていた。未明の午前5時頃、そろそろ寝ようと思いパソコンをスリープさせようとした際、ウェブブラウザの背後で開いていたツイッタークライアントのタイムラインがものすごい勢いで流れていることに気づいた。これまで目にしたことのない、異様な速さである。
見ると英字のツイートに混じって、コビーの写真が続々と流れている。あまりの速さに文字を判読できず、とりあえず適当なツイートをクリックすると、そこには衝撃の一文が。
〝BREAKING NEWS: Kobe Bryant dies in helicopter crash at age 41〞
一瞬、「あれっ、今日はエイプリルフールだっけ?」と思ったが、パソコンに表示されている日付を見るとまだ1月。いやいや、いくらなんでも冗談だろ、まさかそんなはずがない、と別のツイートをチェックすると、『ロイター』が白煙を上げるヘリコプターの残骸の画像を掲載している。恐る恐るリンク先のURLをクリックしてみたところ、そこには墜落現場の動画がアップされていた。
コビーを巻き込んだ大事故は、どうやら本当に起きてしまったようだった。コビーが死んだ……。アキレス腱を断裂しながらもシュートを打つ男が、誰よりも強靭な精神と肉体を持つ男が、41歳の若さで呆気なく死んでしまった。
言葉を失うほどのショックを受けると同時に、涙が止まらなかった。身内や知り合い以外の死で泣いたのは、いつ以来だろう。ひとしきり泣いた後、気が動転していたのか、今思うと呆れた行動に出てしまった。
まず、『DUNKSHOOT』の編集者にSNSメッセージを送付。それまで一度も送ったことのない相手であるにもかかわらず。初メッセージが死亡通知。そして別の編集者には、メッセージだけではなく電話までかけてしまった。時間はまだ午前5時過ぎ、起きているはずもなく、まったくもって迷惑な話である。
さらには、ずいぶん長い間書くのを止め、見るだけにしていたツイッターを、6年ぶりに1行書き込んだ。コビーへの鎮魂の一言。何のために書いたのかは自分でもわからない。
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