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開幕連敗スタートからプレーオフ圏内に浮上!元王者ウォリアーズが復調した理由とは?〈DUNKSHOOT〉

秋山裕之

2021.02.02

開幕連敗スタートとスタートダッシュに失敗したウォリアーズだが、カリー(右)を中心に少しずつ調子をあげ、プレーオフ圏内に浮上した。(C)Getty Images

 ゴールデンステイト・ウォリアーズは1月30日(日本時間31日、日付は以下同)、ホームで行なわれたデトロイト・ピストンズ戦を118-91で制し、今季成績を11勝9敗(勝率55.0%)とした。

 2015、17、18年のリーグ王者は、開幕前にピュアシューターのクレイ・トンプソンがアキレス腱断裂により今季絶望となり、オールラウンダーのドレイモンド・グリーンも最初の4試合を欠場。これにより開幕2試合は26点差、39点差の大敗で連敗スタートとなったものの、ここ4試合で3勝と、徐々にチームは嚙み合ってきたと言っていいだろう。

 48分間のレギュレーションにおけるポゼッション数(ペース)でリーグ3位の103.5と、ハイペースな展開で戦うウォリアーズは、大黒柱のステフィン・カリーや昨季途中に加入したアンドリュー・ウィギンズが積極果敢に点を取りにいくイメージがある。

 事実、カリーはここまでリーグ5位の平均27.7点をあげており、3ポイント成功数も平均4.5本、成功率40.8%と高水準。巧みなボールハンドリングを駆使してディフェンダーを引きつけ、味方の得点チャンスも多く作り出している。

 とはいえ、今季ウォリアーズがプレーオフ圏内のカンファレンス8位タイにいることができている大きな要因はディフェンスだろう。ペースの関係で平均失点はリーグ23位(113.3点)ながら、被フィールドゴール成功率44.2%はリーグ2位、ディフェンシブ・レーティングはリーグ9位の109.4と、上々の数字と言っていい。
 
「それは毎晩、僕らが見せている決意と言えるね。集中しきれていない時もあるけど、ゲームの断片の中で、僕らは流れを作り出し、ディフェンスに秀でたタレントを駆使して勝利を手にすることができている。アンドリューとケリー(ウーブレイJr.)は素晴らしいね」

 2月1日の会見でカリーはここまでのディフェンスについてそう話し、さらにこう続けた。

「特にアンドリューはガードながらリムプロテクトもしてくれている。彼がこなしているのは本当にクレイジーなこと。前にも言ったけど、ドレイモンドがアンカーとなり、ルーン(ケボン・ルーニー)も自身の役割に徹している。ワイズ(ジェームズ・ワイズマン)もコート上で求められていることをやっている」

 ただ、現状のディフェンスがウォリアーズの求める理想形ではない。カリーが課題として挙げたのは、リーグ17位に終わっているリバウンド数、そしてリーグ29位の平均23.3回を数えるファウル数だ。