専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

「国際バスケへの侮辱だ」元ブルズのクーコッチの殿堂入り落選に地元記者が異議〈DUNKSHOOT〉

ダンクシュート編集部

2021.03.16

クーコッチは93年にブルズに入団し、3度の優勝を経験。208㎝とセンター並みの長身ながらパスも上手く、“ヨーロッパのマジック・ジョンソン”と言われていた。(C)Getty Images

クーコッチは93年にブルズに入団し、3度の優勝を経験。208㎝とセンター並みの長身ながらパスも上手く、“ヨーロッパのマジック・ジョンソン”と言われていた。(C)Getty Images

 3月9日(日本時間10日)、今年のバスケットボール殿堂入り最終候補が発表。クリス・ボッシュ(元マイアミ・ヒートほか)やポール・ピアース(元ボストン・セルティックスほか)、ティム・ハーダウェイ(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)、クリス・ウェバー(元サクラメント・キングスほか)、ベン・ウォーレス(元デトロイト・ピストンズほか)など選手とコーチの計14名が名を連ねた。

 殿堂入りを推す声がありながら、今回名前がなかったのが元クロアチア代表のトニー・クーコッチだ。1996~98年のシカゴ・ブルズ後期3連覇に貢献した名シックスマンだが、ファイナリスト候補から落選。これに長年ブルズを追いかけてきた番記者が異議を唱えている。

 1990年のNBAドラフトでブルズから2巡目29位で指名されたクーコッチだが、この時はヨーロッパに残留。92年のバルセロナ五輪では、クロアチア代表の一員としてマイケル・ジョーダンやスコッティ・ピッペンらを擁した“ドリームチーム”と対戦し、ジョーダンが1度目の引退をした1993-94シーズンからブルズに加入した。クーコッチは今年3月上旬、『SPOX』のインタビューで「ヨーロッパではすべてを手にした。当時まだ24歳。NBAでもプレーできると証明したいという衝動にかられた」と海を渡った理由を明かしている。
 
 1年目から平均10.9点をあげ、2年目は15.7点と順調に成長。3年目の95-96シーズンには、81試合に出場(うち先発20試合)して平均13.1点、4.0リバウンド、3.5アシスト、3ポイント成功率40.3%をマーク。当時NBA記録となる72勝をあげたチームのスーパーサブとして存在感を放ち、最優秀シックスマンにも輝いた。

 ジョーダンやピッペン、デニス・ロッドマンの三銃士解体後は、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、アトランタ・ホークス、ミルウォーキー・バックスと渡り歩き、2006年に現役引退。通算成績は846試合、平均11.6点、4.2リバウンド、3.7アシストだった。

 FIBAで殿堂入りしているクーコッチは、NBAでもファイナリストに2回名前を連ねているが、今回は選ばれず。これに対し、かつて地元紙『シカゴ・トリビューン』で記者を務め、現在はブルズ公式サイト『Bulls.com』に寄稿する大ベテランのサム・スミス氏が持論を展開した。

「もう十分。選ばれていい時だ。トニー・クーコッチはバスケットボール殿堂入りに値する。おそらく歴史の中でも最大級の見落としであり、国際バスケットボールへの侮辱だ」

 スミス氏はクーコッチを「ヨーロッパで最も成功した選手の1人」と称賛。世界選手権(現ワールドカップ)出場8回、ユーゴスラビアリーグ優勝4回、イタリアリーグ優勝4回、ユーロリーグ優勝3回を経験し、ブルズ3連覇のメンバーでもあることに触れながらも、殿堂入りに手が届かない理由について推察している。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号