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【八村塁2020-21シーズン総括】日本人初のプレーオフ出場。「大きな一歩」となったNBA2年目|後編<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.06.10

NBA2年目のシーズンを終えた八村。今季は自身初のプレーオフ出場を果たすなど、チーム・個人ともに成長を見せた。(C)Getty Images

 ワシントン・ウィザーズに所属する八村塁は、6月2日(日本時間3日、日付は以下同)にNBA2年目のシーズンを戦い終えた。そこで日本の至宝の2020-21シーズンをプレーバックする。後編は3月のオールスター明けから、日本人初出場を果たしたプレーオフまでを一挙に振り返る。

 3月9日、ウィザーズのスコット・ブルックス・ヘッドコーチは、レギュラーシーズン後半戦の初戦を翌日に控え、八村をこのように評していた。

「ルイは我々のディフェンスのカギだ。状況によっては相手の1番(ポイントガード)から5番(センター)を守っている。素晴らしい身体能力に恵まれているし、ハマっていれば相手は得点するのが難しい。彼には相手チームのメンバーを知り尽くしてほしいね」

 指揮官の期待に応えるべく、八村は後半戦に入ってからもフル稼働。3月13、15日のミルウォーキー・バックスとの連戦では初戦で29得点、11リバウンド、3スティール、翌戦も22得点、7リバウンド、5アシストとマルチな活躍を見せる。以降も2桁得点を続け、30日のシャーロット・ホーネッツ戦ではキャリアハイに並ぶ30得点と暴れ回った。
 
 また、八村は12日のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦でNBA通算1000得点を達成。アジア出身選手としてヤオ・ミン(元ヒューストン・ロケッツ/通算9247得点)、イー・ジャンリャン(元ニュージャージー・ネッツほか/通算2148得点)に次ぐ3人目の快挙を成し遂げた。

 21日のブルックリン・ネッツ戦では通算82試合目の出場を果たす。昨季は鼠径部の負傷による約1か月半の戦線離脱に加え、新型コロナウイルスの感染拡大防止のためシーズンが中断されたため、2年目の半ばにしてようやく本来のレギュラーシーズンの数字に到達した。「2、3回くらいシーズンをやっているように感じる」と話した八村は、「僕としてはオールラウンダー、ディフェンスでもオフェンスでも、リバウンドでも、なんでも活躍できるような選手になりたい」と自身の追い求める選手像を明かしていた。
 
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後半戦に大きく巻き返し、自身初のプレーオフ出場を果たす