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【名作シューズ列伝】所属球団より契約ブランドの方が多かったガーネット。adidas初のシグネチャーはプレースタイルにリンク

西塚克之

2021.06.27

ガーネットはキャリアで3チームでプレーしたが、シューズの契約ブランドはそれを上回る4メーカーだった。(C)Getty Images

 人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 ケビン・ガーネット(KG)は、1976年5月19日、サウスカロライナ州グリーンビルに生まれました。高校生になるまで組織的なバスケットボールを経験したことがなかったKGですが、地元マーディン高に入学すると才能が一気に開花します。

 その後転校したファラガット高でさらにステップアップを遂げ、全米で注目される選手に。そして95年ドラフト1巡目5位でミネソタ・ティンバーウルブズから指名。89年の創設以来、毎年最下位争いをしていたドアマットチームだったウルブズを立て直す存在として、ファンの期待を一心に背負う存在になったのです。



 1年目に平均10.4点、6.3リバウンド、1.6ブロックをあげると、2年目にはマジック・ジョンソンと並ぶ史上最年少(当時)の20歳でオールスターに初めて出場。4年目には得点とリバウンドで平均ダブルダブルを達成するなど順調に力をつけ、2003―04シーズンにリバウンド王とMVPをダブル受賞。NBAのトッププレーヤーとして誰もが認める存在となりました。
 
 今回紹介するのは、彼がMVPシーズンに着用したadidasでは初となるシグネチャーモデル「ADIGARNETT」。NBA入り後のKGのシューズ遍歴はNIKE、AND1と続き、03年8月、adidasと推定4500万ドル(当時約54億円)で生涯契約を締結します。この時点でKGはトレイシー・マッグレディに続き、ブランドと生涯契約を結んだ2人目のNBA選手となりました(同年にティム・ダンカンも締結)。



 機能は、トンネルトロルションがモーションコントロール性の向上と軽量化を実現。ソールはフラットで正方形のパターンを細かく配置し、足の内側と踵などグリップが必要な部位には、四角の中に円のパターンを配置し、設置面を増やすことで摩擦係数をアップ。さらに、サイドの3ストライプスが足をホールドして横振れを軽減します。



 デザインはヒールとシューレースホールの先端にKGのシルエットマーク、つま先に背番号「21」。3ストライプスの真ん中に名前。くるぶし部分のインナーには、オートグラフが刺繍されています。"派手すぎず、地味すぎない"デザインは、KGのスタイリッシュなプレースタイルと上手くリンクしていると思います。
 
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BOXはお馴染みのadidasのデフォルト