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ツイッターでウルブズ加入を知ったゴベアが明かす移籍の舞台裏。「タイトルを狙える存在になる」と自信は揺らがず<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.07.07

ゴベアはタウンズと結成するのウインタワーについて「信じられないことを起こせるはず」と語った。(C)Getty Images

 今オフに起こったトレードで、ここまで最もインパクトが大きかったのは、おそらくルディ・ゴベアをめぐる、ユタ・ジャズとミネソタ・ティンバーウルブズの取引だろう。

 ウルブズはゴベアと引き換えに、パトリック・ベバリー、ジャレッド・ヴァンダービルド、マリーク・ビーズリー、レアンドロ・ボルマロ ウォーカー・ケスラーの5選手と、ドラフト1巡目指名権4つをジャズに譲渡した。

 トレードの発表があった7月2日、ゴベアは自身のSNSで「9年前にここ(ユタ)に来たとき、僕はただのフランスから来た少年だった。けれど1日目からみんなの愛情に包まれて、僕は人としても選手としてもここで成長できた。(中略)ユタはいつでも僕の心の中の特別な場所にある」と感謝のメッセージを投稿。

 コロナ禍には地元の学生のために無料で使えるコンビニを設置したり、ジャズのフランチャイズプレーヤーを夢見るような発言もしていたほど、ユタでの暮らしを気に入っていたゴベア。その彼が、フランスの『レキップ』紙に、今回のトレードについて、率直な感想を語っている。

 まず、トレードについて最初に知ったのは、移籍に関するスクープでお馴染みの米スポーツ放送局『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者のツイッターだったという。
 
 それを目にして間もなく、自身の代理人とジャズの幹部からの電話が鳴ったことで、「何が起きているのかすぐに把握した」と、ゴベアは振り返っている。

「彼らは、僕のこれまでの尽力に感謝し、『タイトルを獲れる球団に君を送った』と言った。僕がこの球団のためにしてきたことを、評価してくれていたよ」

 ゴベアは、フランスのプロクラブで3シーズンプレーした後、2013年のドラフトでデンバー・ナゲッツから1巡目27位で指名され、トレード先のジャズでデビュー。

 ルーキーイヤーはDリーグ(現Gリーグ)でもプレーするなど修行の年となったが、翌シーズンは全82試合に出場。シーズン後半戦から先発を任されると、その後は不動のスターティングセンターとして、インサイドを制圧した。

 18、19、21年の3度、最優秀守備選手賞にも選ばれ、オールスター出場は3回。20年12月には、センターとしてはNBA史上最高額となる5年で2億500万ドルという巨額の契約更新が話題になった。

 21-22シーズンも、平均リバウンド(14.7)とフィールドゴール成功率(71.3%)でリーグトップの数字を記録。メッセージの言葉どおり、ゴベアは、ユタでリーグを代表する選手へと成長した。
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タウンズとのツインタワー結成に「こんな日が来るとは想像もしていなかった!」とゴベア