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「彼はトレードされないだろう」ウォリアーズ時代のデュラントを知る御大が“トレード騒動”に見解<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.07.15

かつてウォリアーズで優勝を分かち合ったウエスト(左)が、デュラントのトレード要求について語った。(C)Getty Images

 NBA現役最高級の実力者ケビン・デュラントが、ブルックリン・ネッツへトレードを要求したと報じられてから約2週間が経過。これまでフェニックス・サンズやマイアミ・ヒート、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、トロント・ラプターズ、ミネソタ・ティンバーウルブズなどが移籍先候補として浮上してきたが、合意に近づいているという続報はないのが現状だ。

 それもそのはず。デュラントには残り4年の超巨額契約が残っており、ネッツはそれ相応の見返りを求めている。この男を獲得するためには自チームのスーパースター、あるいは先発級を複数名、さらには複数のドラフト指名権を差し出す必要があるのだ。

 そのため、各チームはデュラントの獲得について慎重にならざるを得ず、決断を下せずにいるのだろう。NBAコミッショナーのアダム・シルバーは、現地時間7月12日(日本時間13日)にサマーリーグの会場となっているラスベガスで行なわれた会見で、今回の件について言及した。
 
「チームは選手たちへ(延長契約によって)多大な安心と保証を提供しています。その見返りとして、彼ら(選手たち)は最後までやり切ることが期待されています。選手とその代理人、チームを交えた密室の会話はあるでしょう。ただ、我々としては選手たちがトレードをリクエストすることを見たくないですし、こうした展開になってしまうのは見たくありません」

 現在33歳のデュラントは、現役最多となる4度の得点王に輝いたトップスコアラー。オールスターに12回、オールNBAチームに10回選ばれており、オクラホマシティ・サンダー時代の2013-14シーズンにMVP、ウォリアーズ在籍時の17、18年には優勝とファイナルMVPを手にしている。

 コミッショナーの発言によってデュラントがトレード要求を撤回するかは微妙だが、エグゼクティブとしてウォリアーズ時代のデュラントを見てきたジェリー・ウエストは14日、米メディア『SiriusXM NBA Radio』へ出演した際に私見を語った。

「私はケビンがゴールデンステイトにいた時のことをよく知っている。彼は非常に素晴らしい人間の1人で、バスケットボールへ真摯に打ち込む選手だ。この男が持つ技術の数々を軽視してはならない」
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「あくまで私の予測だが、彼はトレードされないだろうね」