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NBA

弱冠20歳でNBAを席巻するルカ・ドンチッチ。新たなフランチャイズプレーヤーを手に入れたマーベリックスが描く青写真

北舘洋一郎

2019.11.22

今季のドンチッチは平均29.9点、10.6リバウンド。9.4アシストとオスカー・ロバートソン、ラッセル・ウエストブルックに次ぐ史上3人目のシーズン・トリプルダブルも夢ではない圧巻の数字を残している。(C)Getty Images

今季のドンチッチは平均29.9点、10.6リバウンド。9.4アシストとオスカー・ロバートソン、ラッセル・ウエストブルックに次ぐ史上3人目のシーズン・トリプルダブルも夢ではない圧巻の数字を残している。(C)Getty Images

 キャリア2年目のルカ・ドンチッチが開幕から絶好調だ。スロベニア出身の20歳のガードは、わずか13歳でスペインの強豪レアル・マドリーに入団。異例と言うべき型破りな道を歩み、昨季からNBAでプレーしている。この若さで大ブレイクを果たしたのはレブロン・ジェームズ以来と言ってもいいだろう。

 所属するダラス・マーベリックス(マブズ)は、2011年にダーク・ノビツキーとジェイソン・キッドを中心に初のNBAチャンピオンに輝いた。しかしその後はプレーオフに進出しても1回戦負けが続き、過去3シーズンはポストシーズン不出場と苦戦を強いられていた。

 昨季限りでフランチャイズプレーヤーのノビツキーがユニフォームを脱いだが、そのタイミングでドンチッチが入団。ノビツキーに代わるチームの新しい核を手に入れた。

 11月21日時点でマブズは9勝5敗でウエスタン・カンファレンス5位。9勝の中には昨季王者のトロント・ラプターズや、格上のデンバー・ナゲッツ相手の勝利も含まれている。そしてドンチッチ自身は平均29.9点(リーグ4位)、10.6リバウンド(同11位)。9.3アシスト(同2位)をマーク。平均トリプルダブルも不可能ではない驚異的なスタッツを叩き出している。
 
 今季、得点とリバウンドでダブルダブルを記録しているのは、ドンチッチ以外にはカール・アンソニー・タウンズ、ジョエル・エンビード、ドマンタス・サボニスといったビッグマンたち。アウトサイドポジション(ガード)で得点とリバウンドで平均2桁を記録する選手は現役はおろか、NBAの歴史を見ても稀だ。

 ヘッドコーチのリック・カーライルは、ドンチッチのリバウンドが増加した理由について次のように述べている。

「昨季まではポイントガードとしてゲームコントロールを任せた。ただドンチッチと話し合った結果、今季はスモールフォワードのポジションでゲームコントロールをさせることになった。ポジションを下げたことでリバウンドにも絡むようになったし、もともと彼は読みが鋭いからボールの落下点へとポジショニングを移すのが上手いんだ」

 ドンチッチが語る。

「カーライル・ヘッドコーチは自分の経験のもとにゲームコントロールをする選手の重要性を話してくれた。それはラリー・バードとジェイソン・キッドのエピソードで、僕も納得できたし、とても楽しいストーリーだった」

 カーライル・ヘッドコーチはドンチッチにチームを勝利に導くには技術も必要だが、それ以上に試合の流れをどう掴むのか、相手に主導権を握られた際の盛り返し方や試合が拮抗した時にどうすべきかなど、具体的にバードやキッドがそのようなシチュエーションでどう対処してきたかを話したという。
 

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