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ドイツの番狂わせ、激戦に終止符を打ったヤニス、王者に起きたコート外のトラブル……初戦後のユーロバスケットをプレーバック<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.09.03

クロアチアとの激闘を制したギリシャ。その立役者となったのは、やはりヤニスだ。(C)Mansoor Ahmed/Ahmedphotos

 9月1日に開幕したユーロリーグは、全チームがグループリーグの初戦を終えた。

 最大のサプライズは、ドイツのケルンで行なわれた、ホスト国ドイツとフランスの対戦。昨年の東京五輪銀メダリストで、今大会の優勝候補の一角とも言われているフランスが、ドイツに63-76と13点差で敗れたのだ。

 とはいえ、これを「番狂わせ」と呼ぶのは少しばかりドイツに失礼だろう。彼らは4日前の28日、ワールドカップ予選でスロベニアを90-71で下しているからだ。

 この試合でルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)はゲームハイの23得点をあげたが、ドイツはデニス・シュルーダー(無所属)が17得点に10アシストとゲームメイクに奔走。そしてなんといっても、組織的なディフェンスが固い。このワールドカップ予選とユーロバスケットに向けて、時間をかけて準備してきた成果が現われている。
 
 一方のフランスも、合宿期間は十分にあったが、負傷者が続出してメンバーが入れ替わるなどコンディションが安定せず。仕上がった感がないまま、本戦直前のワールドカップ予選もボスニア・ヘルツェゴビナに96-90で敗れると、ドイツとは対照的に、この悪い流れの状態で本戦に突入してしまった。

 奇しくも、ドイツ、スロベニア、フランス、ボスニア・ヘルツェゴビナはみな同じグループBで、再び今大会でも顔を合わせることに。そして初戦を終えて首位に立っているのは、グループ内で最多の得失点差をつけたドイツだ。

 ディフェンディングチャンピオンのスロベニアは、初戦で難敵リトアニアを撃破。この試合の前、宿泊先のホテルにチームバスが迎えにこず、選手たちは急遽タクシーに分乗して会場に向かうというアクシデントがあったが、選手たちは平常心を保って接近戦を制した。

 大男たちがギュウギュウ詰めでタクシーに乗っている様子を、スロベニア代表のゴラン・ドラギッチ(シカゴ・ブルズ)は写真付きで『欧州チャンピオンにお迎えのバスが用意されていないなんて、グッジョブ@Eurobasket 』とSNSに投稿している。
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