現地時間９月10日、マサチューセッツ州スプリングフィールドにあるシンフォニー・ホールで、今年のバスケットボール殿堂入り式典が行なわれた。

　今年殿堂入りしたレジェンドの１人が、アルゼンチン代表ではエースを務め、サンアントニオ・スパーズでも主軸として４度の優勝を経験したマヌ・ジノビリ（プレゼンターはティム・ダンカン）。彼がコート上で与えてきた影響力や功績について、９日に米メディア『Yahoo! Sports』へ公開された記事にて、スター選手やレジェンド、スパーズの関係者たちの称賛の言葉を紹介したい。

「初めて対戦した時、俺はその競争心とエナジー、そしてムーブの数々に驚かされたんだ。それがもの凄く衝撃的でね。彼はそこから見事なキャリアを歩んでいったんだ」

　そう語っていたのはコビー・ブライアント。ロサンゼルス・レイカーズ一筋20シーズンをプレーし、スパーズとはレギュラーシーズンとプレーオフで何度も対決してきたスーパースターでさえ、ジノビリのインパクトには度肝を抜かれたという。
  　スパーズが誇る技巧派レフティは、2002－03～17－18シーズンまで16年間プレー。グレッグ・ポポビッチHC（ヘッドコーチ）の下、ダンカンやトニー・パーカーらとともに４度の優勝へ大きく貢献してきた。

　今では数多くの選手がフィニッシュ時に用いるユーロステップを、NBAへ本格的に広めた功労者もジノビリだ。独特のリズムから自由自在のボールハンドリングと老獪なフェイクを駆使してリング下へ侵入し、アクロバティックな動きからショットを量産。会場に駆け付けた観衆だけでなく、画面越しで観ていた人たちやメディア、選手たちをも唸らせてきた。

　1990年代にマイケル・ジョーダンらとともにプレーし、２度の３連覇を達成したスコッティ・ピッペンもジノビリを称賛した１人。オフェンスではジョーダンに次ぐ得点源を務めつつ、トライアングル・オフェンスのコンダクター役をこなし、ディフェンスでも複数のポジションをガードしてきた歴代有数のオールラウンダーは「このリーグで彼よりも自己犠牲を厭わなかった選手はいない」と最大級の賛辞を贈った。