NBA

試練が続く八村塁とウィザーズ。ウエストの強豪相手に露呈した課題とは?

秋山裕之

2019.11.27

ベテランのミルサップ(左)に対し、八村は経験の差を見せつけらる結果に。(C)Getty Images

 11月26日(日本時間27日)、この日からアウェー4連戦がスタートしたワシントン・ウィザーズは、ペプシ・センターでウエスト2位のデンバー・ナゲッツに挑んだ。

 開幕から15試合連続で先発パワーフォワードに名を連ねた八村塁は、4度のオールスター出場を誇るベテランのポール・ミルサップとマッチアップ。開始早々にフリースローライン右付近から放ったプルアップジャンパーは失敗に終わったが、直後の攻撃ではブラッドリー・ビールとトーマス・ブライアントの2メンゲームから相手の守備陣の隙を突いてペイントエリアへと入り込み、ボースハンドダンクをお見舞いした。

 しかしディフェンシブ・レーティングでリーグトップと堅守を誇るナゲッツは、ウィザーズのビールやアイザイア・トーマスに対して積極的にプレッシャーを掛け、相手のエーススコアラーに自由を与えないディフェンスで応戦する。

 前の試合の時点で3ポイント成功率21.7%と精度の低い八村のアウトサイドシュートは捨て、「打つならどうぞ」と言わんばかりの徹底ぶり。八村は第1クォーター中盤にオープンな状態で3ポイントを放つも、ボールは惜しくもリングに嫌われ、相手の術中にハマってしまう。
 
 第2クォーターに入ってもビールへの徹底マークは変わらず、試合は徐々にナゲッツペースへ。ディフェンスに定評のあるギャリー・ハリスを中心に、二コラ・ヨキッチやメイソン・プラムリー、ジェレミー・グラントらビッグマンが襲い掛かり、ビールがボールを手離さざるを得ない状況へと追い込んでいった。

 なんとか苦境を打開したい八村は、前半残り2分58秒にアイザイア・トーマスとのピック&ロールから素早くゴールへと走り込み、この日2本目のダンクを叩き込む。しかし、この日はディフェンス面でローテーションミスやファウルを重ねてしまい、頭を抱えるシーンが目立った。

 特に、第1クォーター中盤にはモリッツ・ヴァグナーとのコミュニケーションミスによりヨキッチにスペースを与えてしまい、ゴール下での得点を献上。第2クォーターにはベンチから登場したプラムリーやグラントの動きに翻弄され、ファウルを犯し失点を喫してしまった。
 
NEXT
PAGE
後半の立ち上がりは存在感を示すも…