昨季、1試合あたりの平均得点数がリーグ最下位(103.7)だったオクラホマシティ・サンダーが、27試合を終えて115.8点で7位と、攻撃面で大きな進歩を見せている。
勝率はリーグの下から数えた方が早いが、負け試合でも、なかなかのハイスコアリングゲームを演じているのだ。
エースを務めるシェイ・ギルジャス・アレキサンダーの平均得点も、昨季の24.5点から、31.2点と飛躍的に向上し、現在ルカ・ドンチッチ(33.1点/ダラス・マーベリックス)に次いでリーグ2位にランクしている。
この進化に影響を及ぼしているのは、サンダーが今シーズン新たに招き入れた、シューティングコーチのチップ・イングランドだ。
"ショット・ドクター"の異名を取るイングランドは、名門デューク大出身。そこでは4年時に、3ポイント成功率55.4%という数字を残すほどのシューターだった。
しかし1983年のドラフトではどのチームからも指名されず、フィリピンリーグでプロデビュー。7年という短い現役キャリアの後、指導者に転向した。
デトロイト・ピストンズ、デンバー・ナゲッツを経て、2005年からサンアントニオ・スパーズのコーチングスタッフに加わると、17年間、主にシューティングを担当するアシスタントコーチを務めた。
その間、 ジョージ・ヒル、カワイ・レナード、トニー・パーカーら、数々の選手のシューティング力向上に寄与してきたスペシャリストだ。
レナードの3ポイント成功率は、大学通算で25.0%だったのが、スパーズに入団した初年度には37.6%と、目覚ましく向上した。 パーカーはティアドロップやワンハンドランナーを得意としていた一方で、ジャンプショットを苦手としていた。そこでイングランドは、夏のトレーニングキャンプでパーカーのシュートフォーム改造に取り組んだ。
スパーズのグレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)も当時こんなコメントを残している。
「最初の数年は、彼が打つたびに、ターンオーバーか、それと似たような結果になるだろうと思っていた。まあ、入らないだろう、と。しかしこの1年半(05年から)は、『入る!』と思えるようになった。それは彼自身の努力と、イングランドの指導によるものだ」
クリス・バラード氏の著書『The Art of a Beautiful Game』によると、イングランドは、パーカーがジャンパーを打つ際、得意なシュートを打つ時よりも、右手がよりボールの上側を掴んでいることを指摘。
そこで右手をもっと下げさせて、親指のグリップが効くようにし、併せてモーションをもっとスローにし、リリースポイントも変えた。
するとペイントの外からのジャンプショット成功率が34.5%から1年で39.7%に上昇。ミドルレンジは、39.3%から4年後の08-09シーズンには45.5%まで確率を上げた。
パーカーの外のシュートの精度が低いため、当時スパーズはジェイソン・キッド獲得を真剣に考えていたという。もしこの夏のシューティング改造がなければ、パーカーがスパーズでファイナルMVPになることはなかったかもしれない。
マルコ・ベリネッリも、35.7%と凡庸だった3ポイントを、スパーズ入団後に43%まで上昇させている。そして彼は、14年の3ポイントコンテストに優勝するまでになった。
勝率はリーグの下から数えた方が早いが、負け試合でも、なかなかのハイスコアリングゲームを演じているのだ。
エースを務めるシェイ・ギルジャス・アレキサンダーの平均得点も、昨季の24.5点から、31.2点と飛躍的に向上し、現在ルカ・ドンチッチ(33.1点/ダラス・マーベリックス)に次いでリーグ2位にランクしている。
この進化に影響を及ぼしているのは、サンダーが今シーズン新たに招き入れた、シューティングコーチのチップ・イングランドだ。
"ショット・ドクター"の異名を取るイングランドは、名門デューク大出身。そこでは4年時に、3ポイント成功率55.4%という数字を残すほどのシューターだった。
しかし1983年のドラフトではどのチームからも指名されず、フィリピンリーグでプロデビュー。7年という短い現役キャリアの後、指導者に転向した。
デトロイト・ピストンズ、デンバー・ナゲッツを経て、2005年からサンアントニオ・スパーズのコーチングスタッフに加わると、17年間、主にシューティングを担当するアシスタントコーチを務めた。
その間、 ジョージ・ヒル、カワイ・レナード、トニー・パーカーら、数々の選手のシューティング力向上に寄与してきたスペシャリストだ。
レナードの3ポイント成功率は、大学通算で25.0%だったのが、スパーズに入団した初年度には37.6%と、目覚ましく向上した。 パーカーはティアドロップやワンハンドランナーを得意としていた一方で、ジャンプショットを苦手としていた。そこでイングランドは、夏のトレーニングキャンプでパーカーのシュートフォーム改造に取り組んだ。
スパーズのグレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)も当時こんなコメントを残している。
「最初の数年は、彼が打つたびに、ターンオーバーか、それと似たような結果になるだろうと思っていた。まあ、入らないだろう、と。しかしこの1年半(05年から)は、『入る!』と思えるようになった。それは彼自身の努力と、イングランドの指導によるものだ」
クリス・バラード氏の著書『The Art of a Beautiful Game』によると、イングランドは、パーカーがジャンパーを打つ際、得意なシュートを打つ時よりも、右手がよりボールの上側を掴んでいることを指摘。
そこで右手をもっと下げさせて、親指のグリップが効くようにし、併せてモーションをもっとスローにし、リリースポイントも変えた。
するとペイントの外からのジャンプショット成功率が34.5%から1年で39.7%に上昇。ミドルレンジは、39.3%から4年後の08-09シーズンには45.5%まで確率を上げた。
パーカーの外のシュートの精度が低いため、当時スパーズはジェイソン・キッド獲得を真剣に考えていたという。もしこの夏のシューティング改造がなければ、パーカーがスパーズでファイナルMVPになることはなかったかもしれない。
マルコ・ベリネッリも、35.7%と凡庸だった3ポイントを、スパーズ入団後に43%まで上昇させている。そして彼は、14年の3ポイントコンテストに優勝するまでになった。
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