現地時間２月９日のトレード・デッドラインで、フェニックス・サンズは２つのトレードを成立させた。

　まずオクラホマシティ・サンダーとのトレードでダリオ・シャリッチと2029年のドラフト２巡目指名権を差し出し、フォワードのダリアス・ベイズリーを獲得。

　そしてミカル・ブリッジズ、キャメロン・ジョンソン、ジェイ・クラウダーの３選手に複数のドラフト指名権を放出し、４チーム間のトレードでブルックリン・ネッツからケビン・デュラント、TJ・ウォーレンをロスターへ加えた。

　一昨季にNBAファイナル進出、昨季はリーグベストかつフランチャイズ史上最高となる64勝18敗（勝率78.0％）を残したサンズは、ブリッジズとジョンソンという優秀な若手フォワード陣を手放し、スーパースターのデュラントを加えるという賭けに出た。

　デビン・ブッカーは14日のシュートアラウンド後に、今回のデュラント加入についてこのように話していた。

「言葉じゃ言い表せないね。それが今の気持ちさ。オールスターブレイク明けに、お互いに競い合うチャンスを得ることを楽しみにしているよ。オリンピック以外で、ケブ（デュラント）とはプレーしたことがなかったから、エキサイティングな時間になっている」

　サンズ在籍８シーズン目のブッカーは、キャリア２年目の2016－17シーズンから平均20点以上をあげ、オールスター選出３度を誇るリーグ屈指のエリートスコアラー。
  　ブッカーは21年夏の東京オリンピックでデュラントと共闘しアメリカ代表の金メダルに貢献。NBAで一緒にプレーした経験はないが、両選手が高精度なジャンパーを決め続けていく光景は、相手チームにとって悪夢でしかないだろう。

　サンズにはブッカーだけでなく、ベテラン司令塔のクリス・ポール、ビッグマンのディアンドレ・エイトン、３＆Ｄのトーリー・クレッグ、キャメロン・ペインやランドリー・シャメットといった選手もおり、デュラントが加わったことで有力なタイトルコンテンダーとなったことは言うまでもない。

　初優勝を狙うサンズにとって最大の鍵を握るデュラントは、１月上旬に右ヒザの内側側副靱帯を負傷。現在は戦列を離れており、明確な復帰時期は決まっていない。

　ただ、この日のシュートアラウンドではさまざまなシューティングドリルをこなすなど、順調な回復ぶりをアピール。モンティ・ウィリアムズ・ヘッドコーチも「彼は素晴らしい状態にある。彼はいつも、本当にいいシェイプでいるんだ。常にゲームスピードでこなしているよ」と語っており、復帰に向けて着実に前進しているようだ。