NBAでプレーするすべての選手がNBAファイナルで戦い、チャンピオンシップを勝ち取ることを夢見ている。しかし、スティーブ・ナッシュ、ヴィンス・カーター、ドミニク・ウィルキンス、先日引退を発表したカーメロ・アンソニーなど、優勝はおろか、ファイナルにも進むことができずに、ユニフォームを脱いだスタープレーヤーも少なくない。
今季はウエスタン・カンファレンスからデンバー・ナゲッツ、イースタン・カンファレンスからはマイアミ・ヒートがファイナルに駒を進めたが、シリーズ開幕を前にヒートのケビン・ラブが持つ記録に注目が集まっている。
現在34歳のラブは2008年にミネソタ・ティンバーウルブズに入団し6年間プレー。中でも外でもプレーできるパワーフォワードは、2年目から得点とリバウンドで平均ダブルダブルと看板選手として活躍しオールスターにも3度選ばれたものの、チームはプレーオフ不出場。だが14年のクリーブランド・キャバリアーズ移籍を機に潮目が変わる。
レブロン・ジェームズ、カイリー・アービングとともにビッグ3を結成し、加入1年目の15年に初のプレーオフ出場。ボストン・セルティックスとの1回戦で左肩を負傷したことでその後は全休を余儀なくされたが、チームはファイナルに勝ち進んだ。
翌年にもキャブズはファイナルに挑み、ゴールデンステイト・ウォリアーズ相手に1勝3敗からシリーズをひっくり返し逆転優勝。さらに17、18年もイースタン・カンファレンスを勝ち上がり、ラブは大舞台を経験した。
18年オフにレブロンがロサンゼルス・レイカーズに移籍したことで、チームは再建へシフト。以降はプレーオフから遠ざかり、ラブは在籍9年目の今季途中にバイアウト(契約買い取り)され、ヒートと契約した。
新天地のヒートは第8シードでポストシーズンに挑んだが、次々と上位陣を撃破しイーストを制覇。カンファレンス決勝の途中まで先発を務めたラブは、ベテランらしいプレーでチームに貢献し、再びファイナルへの切符を手にした。
優勝は16年の1度だけだが、5度のプレーオフで所属チームはすべてファイナルへ進出。ファイナルを除くシリーズ成績は15勝0敗(欠場したシリーズも含む)とイーストのチームに対して勝率100%を誇っている。
選手としてファイナルの舞台に立つには、強豪チームでプレーするだけの実力に加え、相当な運も必要となる。来季以降もラブの記録は継続されるか注目だ。
構成●ダンクシュート編集部
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