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急転直下のトレードでセルティックス退団となったスマートに地元メディア「マーカスはあそこで引退することを望んでいた」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.06.24

セルティックスの象徴的存在だったスマートがトレードでグリズリーズへ。別れを惜しむ声がしばらくは耐えないだろう。(C)Getty Images

 現地時間6月21日に合意と報じられた3チーム間トレードで、ボストン・セルティックスはワシントン・ウィザーズからクリスタプス・ポルジンギス、メンフィス・グリズリーズから2023年のドラフト1巡目25位指名権、24年のドラフト1巡目指名権(条件付き)を獲得した。

 27歳のポルジンギスは、ラトビア出身の221cm・109kgのビッグマン。ポストプレーからドライブ、ミッドレンジ、ディープスリーまで軽々と沈めることができる多彩なスキルを誇り、ニューヨーク・ニックス在籍時の2018年にはオールスターに選出された経験を持つ。

 キャリアを通じてヒザのケガに悩まされてきたが、今季はここ4シーズンで最多の65試合に出場。キャリアハイの平均23.2点に8.4リバウンド、2.7アシスト、1.54ブロックの成績を残した。スコアラーとしてはもちろん、リムプロテクターとしても計算できるだけに、セルティックスはジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンに次ぐ新たな武器を手に入れたと言っていい。

 だがその一方で、セルティックスはダニーロ・ガリナーリ、マイク・マスカーラ、今年ドラフト2巡目35位指名権をウィザーズへ送り、マーカス・スマートをグリズリーズへ手放すこととなった。
 
 なかでもスマートは、2014年のドラフト1巡目6位で入団以降、9年間にわたって主軸を務めてきたセルティックスの最古参。NBA入りからの全9シーズンでプレーオフの舞台に立ち、昨季のファイナル進出をはじめ、5度のカンファレンス・ファイナル進出を支えた立役者だ。

 193cm・100kgの屈強な体躯と機敏なフットワークに、溢れんばかりのエナジーを前面に押し出してプレーする男は、セルティックスの"ハート&ソウル"であり、優勝候補の一角として覇権争いを繰り広げてきたチームの屋台骨を担ってきた。

 このトレードの報道を受けて、地元メディア『The Boston Globe』はスマートに親しい情報筋が「大打撃だ」、「とてつもなくショックを受けている」と話していたと報じた。また、あるソースは「マーカスはボストンを愛している。彼はそこで引退することになるだろうと思っていた。彼はあそこで引退することを望んでいたんだ」と報じたように、セルティックス一筋でプレーしてきたスマートにとってはショック以外の何物でもないだろう。
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セルティックス、スマートともに新たなチャレンジへ