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「あと一歩届かなかっただけ」ヒートのアデバヨが昨季ファイナルの敗因を語る「疲労が響くことになった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.08.02

アデバヨは昨季のファイナルでの敗因について、ケガ人の多さと疲労の蓄積を挙げていた。(C)Getty Images

 7月28日(日本時間29日)から31日にかけて、南アフリカのヨハネスブルグにあるアメリカン・インターナショナル・スクールで、バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ(BWB)が開催された。

 男女計80名が参加した今年のBWBでは、マイアミ・ヒートのバム・アデバヨ、クリーブランド・キャバリアーズのダリアス・ガーランド、ゴールデンステイト・ウォリアーズのジョナサン・クミンガ、オーランド・マジックのジェイレン・サッグスがコーチ役として参加。

 BWB中に米スポーツ専門局『ESPN』から"ヒート・カルチャー"について聞かれたアデバヨは、キャンプへ参加した選手たちの前で「その質問に対する僕の答えはスタンダードの一語だ」と答えていた。

「マイアミ・ヒートにはスタンダードがある。そのスタンダードを維持しているんだ。僕らはその責任を負うことを楽しみにしている。それは数多くの試合で勝利し、シーズンが終わった時に(チャンピオンシップ)トロフィーを掲げることにある」

 現在のヒートは、エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)の下、ジミー・バトラーとアデバヨを中心にリーグ屈指の強豪としての地位を確立している。直近4シーズンのうち、カンファレンス・ファイナルに3度進出し、2020、2023年にはNBAファイナルに駒を進めた。
 
 昨季はイースト7位の44勝38敗(勝率53.7%)でレギュラーシーズンを終え、アトランタ・ホークスとのプレーイン・ゲームを落としてプレーオフ進出が危ぶまれたものの、シカゴ・ブルズとの一発勝負を制して第8シードを獲得。

 そこからファーストラウンドでミルウォーキー・バックスを4勝1敗、カンファレンス・セミファイナルではニューヨーク・ニックスを4勝2敗で下し、ボストン・セルティックスとのカンファレンス・ファイナルを4勝3敗で制し、1999年のニックス以来となる第8シードからファイナルへ進出した。

 頂上決戦ではデンバー・ナゲッツに1勝4敗で敗れて2013年以来のリーグ制覇は逃したとはいえ、驚異的な勝ち上がりでプレーオフを沸かせた。

 そしてアデバヨは、ファイナルをこのように振り返っていた。

「僕らは(優勝に)あと一歩届かなかっただけさ。それは昨シーズンに(多くの)ケガを抱えていたから。シーズンを通して、僕らは浮き沈みを経験してきた。その疲労が響くことになったと感じている」
 
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ケガ人の多さに苦しめられた昨季のヒート