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バスケW杯

【バスケW杯】クラークソンに加えBリーグ戦士も躍動。「近年最強のロスター」フィリピン代表が挑むアジア最強への道<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.08.21

クラークソンらを中心に、フィリピンは「近年最強のロスター」を揃えた。(C)Getty Images

クラークソンらを中心に、フィリピンは「近年最強のロスター」を揃えた。(C)Getty Images

 日本の沖縄、フィリピン、インドネシアの3か国が舞台となるワールドカップ(以下W杯)の開幕が今週金曜日に迫った。

 開会式と、グループAの1日目の試合は、5万5000人収容という世界最大級の屋内施設、フィリピンアリーナで行なわれる。自国フィリピン対ドミニカ共和国戦も開催されるこの日のチケットはすでに2万6000万枚が売れているそうで、これまでのW杯での最多観客数である1994年大会(トロント、カナダ)の決勝戦、チームUSA対ロシア戦の3万2616人を追い抜いて、歴代最多記録を更新する勢いだという。

 その盛り上がりに一役かっているのが、フィリピン代表の一員として今大会に参戦するジョーダン・クラークソン(ユタ・ジャズ)だ。

 アメリカ生まれのクラークソンはサンアントニオ育ちだが、母アネットはフィリピン系のアメリカ人。クラークソンもこの国の血を受け継いでいる。
 
 大人になるまで、母方の祖国には行ったことがなかったというクラークソンだが、最近では夏に1か月間ほど滞在するのが定番のオフの過ごし方になっているという。フィリピンは街中でもめったに黒人を見かけることがない国ゆえ、最初は「君はフィリピン人ではない」といった態度をとられたこともあったというが、最近のインタビューでは「あそこに行った時に『帰りたい』と思ったことは一度もない。帰らなければならなくて“去る”んだ」とフィリピン愛を語っている。

 アフリカ系の父のカルチャーの影響を受けて育ったクラークソンは、フィリピンの伝統や文化について学び、理解することで「人としての深みが増した」とも話している。

「文化についていえば、あの国では人の謙虚さが違うと感じる。とにかく、誰もが謙虚なんだ。誰もが喜んで与えてくれる。だから僕はただひたすら、愛を示すことに多くの時間を費やしているよ」

『フィリピン人が美味しそうなケーキをひとつもらったら、真っ先に一緒に食べる人を探す』

 これは、フィリピン人のキャラクターを表わす時によく使われるフレーズだ。
 
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