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NBA

主力の相次ぐ離脱で絶対王者からリーグ最下位に……。一時代を築いたウォリアーズが描く逆襲のシナリオとは?

北舘洋一郎

2019.12.16

生え抜きのグリーン(右)や新加入のラッセル(左)は奮闘しているが、カリーとトンプソンの不在はやはり大きく、チームはリーグ最下位に沈んでいる。(C)Getty Images

生え抜きのグリーン(右)や新加入のラッセル(左)は奮闘しているが、カリーとトンプソンの不在はやはり大きく、チームはリーグ最下位に沈んでいる。(C)Getty Images

 最強スコアラーのケビン・デュラントと万能戦士のアンドレ・イグダーラは他球団へ移籍、頼れるベンチプレーヤーだったショーン・リビングストンは引退、そしてステフィン・カリーとクレイ・トンプソンのスプラッシュ・ブラザーズはケガで戦線離脱……。

 ゴールデンステイト・ウォリアーズは過去5年間、ウエスタン・カンファレンスの絶対王者に君臨してきた。しかし今季は12月15日時点で5勝22敗、勝率18.5%でリーグ最下位に沈んでいる。ここまでチームが下降するとは、誰も予想しなかっただろう。

 カリー中心のチームを始動させたのが2012ー13シーズンから。それから、7シーズンもウォリアーズはリーグ上位に君臨し続け、3度の優勝(2015、17、18年)と一時代を築いた。

 2000年以降のNBAで、一度栄光を手にしたチームが低迷期を経て再び王座に就いたのは、2000年から3連覇を達成し、2009、10年に連覇したロサンゼルス・レイカーズ、そして2006年に初の頂点に立ち、ビッグ3体制で2012、13年に栄冠を掴んだマイアミ・ヒートの2チームのみ。もし来季、ウォリアーズが劇的な復活を遂げ、チャンピオンに返り咲けば歴史に名を残すことになるだろう。

「選手は永遠に最高のパフォーマンスを維持できるわけではない。ケガなどで毎シーズン同じコンディションで試合に望める保証はないからね。条件が整わない中でもどれだけのパフォーマンスを残せるかを突き詰めて行くのが真のプロフェッショナルだ」とカリーは言う。
 
 長年NBAで頂点を極めることにフォーカスしてきたカリーは、今回のケガ(左手骨折)によって今までとは違う角度からバスケットボールに取り組めるようになったという。

「家族と過ごす時間も以前より増えた。妻や子どもたちと多くの時間を過ごすことで、常に試合に勝たなければならないというこれまでの考えから解き放たれ、それが新しく何かを見れるきっかけにもなったよ。NBA入りした時に目標にしていたステージで結果を残せたし、また次の目標もできた。それはケガからの復帰と同じくらい重要で心の中を整理することができたよ」

 ウォリアーズ王朝復活の鍵を握るのがGMのボブ・マイヤーズだ。彼の強みは大きく分けて2つあり、ひとつは2016年のオフにケビン・デュラントとの契約にこぎつけたようにスーパースターを引き抜いてくること。そして若いダイアモンドの原石に目を付け、1人前の選手に育てあげることだ。

 マイヤーズは語る。

「すべては融合だと考える。現在のNBAには色々なタイプの選手がいて、契約という条件に縛られてはいるが、もし本当にその選手が必要と思うなら獲得へ動くべきだ。それはルーキーでもスーパースターでも同じ。今のウォリアーズにはカリー、トンプソンという柱がいて、彼らを軸にどういう選手を融合させてチームを作るべきかを考える」
 

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