昨プレーオフでNBAファイナルまで勝ち進んだマイアミ・ヒートは、10月11日(日本時間12日、日付は以下同)のシャーロット・ホーネッツ戦で今季のプレシーズンがスタートする。
今夏はポートランド・トレイルブレイザーズへトレードを要求していたデイミアン・リラードが希望の移籍先にヒートを挙げていたこともあり、主力の入れ替わりが予想された。
しかし、交渉はまとまらずリラードはミルウォーキー・バックスへ移籍。大物を逃したなか、彼の交換要員として名前が報じられていたのがタイラー・ヒーローだった。9日に地元メディア『South Florida Sun Sentinel』へ公開された記事で、23歳のスコアラーが現在の心境を語った。
「僕はポートランドへ行きたくなかった。だからポートランドが僕を欲しがらなかったことが嬉しい。僕はただ、ポートランドの一員にはなりたくなかったんだ」
昨季のヒーローは出場した67試合すべてで先発を務め、平均20.1点、5.4リバウンド、4.2アシストを残し、ジミー・バトラー、バム・アデバヨに次ぐ得点源としての地位を確立。
だがバックスとのプレーオフ1回戦の初戦で右手を骨折し戦線離脱。デンバー・ナゲッツとのNBAファイナル第5戦でようやく出場可能になったものの、コートへ立つことなくシーズンを終えていた。
「今コートへ立つことができて本当に嬉しいね。4月からプレーしていなかったんだ。手の骨折であの時からプレーできていなかったから、今はプレーする準備が整っているよ」とヒーローは言う。
ライバルのバックスにリラード、ボストン・セルティックスにはドリュー・ホリデーが加わった一方、ヒートはゲイブ・ヴィンセントがロサンゼルス・レイカーズ、マックス・ストゥルースがクリーブランド・キャバリアーズへ移籍した。
ドラフトではハイメ・ハケスJr.を指名、FA(フリーエージェント)市場ではジョシュ・リチャードソン、トーマス・ブライアントと契約し、FAだったケビン・ラブと再契約を締結したが、バックス、セルティックスと比較すると、戦力不足が囁かれてもおかしくはない。
それでも、ヒーローの自信は揺るがない。
「何が変わったのか、僕には本当に理解できないんだ。僕がケガをしてから、チームの快進撃が始まったことは間違いない。(でも)自分のプレーや僕の価値というものが、みんなのなかでどう変わっていったのかがわからない。何も変わっていないのにね。僕がこれ以上悪くなることはない。ここから歳を重ねて経験を積んで、うまくなっていくだけさ
それにこのチームは僕がいないからといって良くなっていったわけじゃない。僕たちはシーズンを通してショットを決め切れなかった。僕はこのチームのベストシューターだ。だから僕がベンチで座っていたからといって、シュート成功率に影響したとは思わない。(プレーオフではたまたま)ショットが決まり出しただけさ」
昨季のヒートは平均109.5点でリーグワーストに終わったほか、フィールドゴール成功率46.0%で同26位、3ポイント成功率34.4%で同27位とオフェンスに問題を抱えていた。
しかしプレーオフではレギュラーシーズンの不振が嘘のように、ヴィンセントやストゥルース、ケイレブ・マーティン、ダンカン・ロビンソンらが次々とシュートを決めて快進撃を見せた。そのため、ベンチからチームを見守っていたヒーローとしては、不思議に映ったのだろう。
今季のヒートは現役時代にシューターとして鳴らしたウェイン・エリントンを選手育成コーチとして雇っており、シュート力向上に向けて動いている。ヒーローはチーム躍進のカギを握る選手の1人だけに、開幕からエンジン全開で臨むことが期待できそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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しかし、交渉はまとまらずリラードはミルウォーキー・バックスへ移籍。大物を逃したなか、彼の交換要員として名前が報じられていたのがタイラー・ヒーローだった。9日に地元メディア『South Florida Sun Sentinel』へ公開された記事で、23歳のスコアラーが現在の心境を語った。
「僕はポートランドへ行きたくなかった。だからポートランドが僕を欲しがらなかったことが嬉しい。僕はただ、ポートランドの一員にはなりたくなかったんだ」
昨季のヒーローは出場した67試合すべてで先発を務め、平均20.1点、5.4リバウンド、4.2アシストを残し、ジミー・バトラー、バム・アデバヨに次ぐ得点源としての地位を確立。
だがバックスとのプレーオフ1回戦の初戦で右手を骨折し戦線離脱。デンバー・ナゲッツとのNBAファイナル第5戦でようやく出場可能になったものの、コートへ立つことなくシーズンを終えていた。
「今コートへ立つことができて本当に嬉しいね。4月からプレーしていなかったんだ。手の骨折であの時からプレーできていなかったから、今はプレーする準備が整っているよ」とヒーローは言う。
ライバルのバックスにリラード、ボストン・セルティックスにはドリュー・ホリデーが加わった一方、ヒートはゲイブ・ヴィンセントがロサンゼルス・レイカーズ、マックス・ストゥルースがクリーブランド・キャバリアーズへ移籍した。
ドラフトではハイメ・ハケスJr.を指名、FA(フリーエージェント)市場ではジョシュ・リチャードソン、トーマス・ブライアントと契約し、FAだったケビン・ラブと再契約を締結したが、バックス、セルティックスと比較すると、戦力不足が囁かれてもおかしくはない。
それでも、ヒーローの自信は揺るがない。
「何が変わったのか、僕には本当に理解できないんだ。僕がケガをしてから、チームの快進撃が始まったことは間違いない。(でも)自分のプレーや僕の価値というものが、みんなのなかでどう変わっていったのかがわからない。何も変わっていないのにね。僕がこれ以上悪くなることはない。ここから歳を重ねて経験を積んで、うまくなっていくだけさ
それにこのチームは僕がいないからといって良くなっていったわけじゃない。僕たちはシーズンを通してショットを決め切れなかった。僕はこのチームのベストシューターだ。だから僕がベンチで座っていたからといって、シュート成功率に影響したとは思わない。(プレーオフではたまたま)ショットが決まり出しただけさ」
昨季のヒートは平均109.5点でリーグワーストに終わったほか、フィールドゴール成功率46.0%で同26位、3ポイント成功率34.4%で同27位とオフェンスに問題を抱えていた。
しかしプレーオフではレギュラーシーズンの不振が嘘のように、ヴィンセントやストゥルース、ケイレブ・マーティン、ダンカン・ロビンソンらが次々とシュートを決めて快進撃を見せた。そのため、ベンチからチームを見守っていたヒーローとしては、不思議に映ったのだろう。
今季のヒートは現役時代にシューターとして鳴らしたウェイン・エリントンを選手育成コーチとして雇っており、シュート力向上に向けて動いている。ヒーローはチーム躍進のカギを握る選手の1人だけに、開幕からエンジン全開で臨むことが期待できそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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