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「複雑だけど、みんなのことを思うと嬉しい」ラプターズ移籍のバレットがニックス時代を回想「選手、人間として成長できた」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.01.10

年末のトレードでラプターズへ移籍したバレットが、デビューから約4年間プレーしたニックス時代を振り返った。(C)Getty Images

「全く予想もしていなかったよ。(トレードが)成立した時に電話をもらった。あの時の僕は『どうかしたの?』という感じで、訳がわからなかったよ。こうなるなんて思っていなかったからね。ただ、ラプターズ入りを知らされて『オーケー。少なくとも僕はホームへ行くことができるんだね』って感じだった」

 1月9日(日本時間10日、日付は以下同)に米メディア『Andscape』に公開された記事のなかで、昨年12月30日にニューヨーク・ニックスからトロント・ラプターズへ移籍したRJ・バレットは自身初のトレードをこのように振り返った。

 このトレードでラプターズは、トロント出身のバレット、スコアリングガードのイマニュエル・クイックリー、2024年のドラフト2巡目指名権を獲得。見返りとしてOG・アヌノビー、プレシャス・アチウワ、マラカイ・フリンをニックスへ送った。

 バレットは1月1日のクリーブランド・キャバリアーズ戦で19得点、9リバウンドを残して新天地デビュー戦を白星で飾り、続く2試合も2桁得点をマーク。7日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦では5本の3ポイントを含む37得点、6リバウンド、6アシストの大活躍で勝利の立役者となった。

「(ラプターズでの)初戦から、僕はオフェンス面でいい感じだった。すごくいいプレーができていると感じていたよ。たくさん点を取ったわけじゃないけど、効率良くできていたし、チームメイトを助けるべく、正しくプレーするように心がけていたんだ。学ぶことはいくつもあるし、ディフェンスのシステムは今も学んでいる最中だけど、日々うまくなろうとしているよ」(バレット)
 
 故郷球団のラプターズでキャリアの第2章をスタートさせたバレットだが、2019年のプロ入りから約4シーズンを過ごしたニックス時代はどんなものだったのか。

 昨季ジェイレン・ブランソンが加入したことで、バレットはジュリアス・ランドル、ブランソンに次ぐ第3の得点源となったものの、プレーオフのカンファレンス・セミファイナルではマイアミ・ヒート相手に平均20.8点、4.7リバウンド、2.8アシストと好成績を残した。

 ルーキーシーズンにイースタン・カンファレンス12位の21勝45敗(勝率31.8%)と低迷していたチームは、翌シーズンからトム・シボドーがHCに就任し、プレーオフチームへと飛躍。現在はタイトルコンテンダーとなるべく、ロスターを強化している。

「ニューヨークで、僕は何かを築き上げるうえで助けになった。最初はいいチームではなかったけど、離れた時にはすごく良くなっていた。もちろん複雑だけど、あそこにいるみんなのことを思うと嬉しいね。

 彼らはあのトレードでハッピーになった。彼らが最善を尽くすことだけを願っている。(自分は)ニューヨークで選手、それに人間として成長できた。あの4年半はこれからもずっと忘れない」とバレットは古巣への想いを語った。

 現在ニックスはイースト4位の22勝15敗(勝率59.5%)。一方のラプターズは15勝22敗(勝率40.5%)で11位と振るわないが、バレットは新天地で輝くべく、これからも奮闘を続けていく。

文●秋山裕之(フリーライター)

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