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NBA

「キャリアが終わったと思った」数々の苦難を乗り越え、最強のシックスマンへと上り詰めたルー・ウィリアムズ

ダンクシュート編集部

2020.01.09

“現役最強のシックスマン”の座は、ウィリアムズで異論はないはずだ。(C)Getty Images

“現役最強のシックスマン”の座は、ウィリアムズで異論はないはずだ。(C)Getty Images

 シックスマン——。5対5のスポーツであるバスケットボールにおいて、途中出場から試合の流れを変えられるスーパーサブのことだ。かつてはその名の通り“6番目”の実力者が配置されることが多かったが、現代NBAにおいては、チーム戦術を踏まえた上でスターターに匹敵、あるいはそれ以上の実力者である場合も少なくない。

 近年で言えば、マヌ・ジノビリ(元サンアントニオ・スパーズ)やジャマール・クロフォード(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)が代表格だが、現在の“最強シックスマン”は誰か。その答えには、多くの人々がクリッパーズのベテランガード、ルー・ウィリアムズを推すだろう。
 
 “音楽の街”メンフィスで生まれたウィリアムズは、幼少期は電話帳をホームベースにし、枝木をバット代わりに野球をしていた。しかし、すぐさまストリートでサディアス・ヤング(シカゴ・ブルズ)やショーン・ウィリアムズ(元インディアナ・ペイサーズほか)らとのバスケットボールに明け暮れるようになった。

 アトランタへ引っ越した中学校時代にバスケットボールから離れた時期もあったが、秘めたる得点能力は瞬く間に開花。サウスグウィネット高ではマクドナルド・オールアメリカンに選出されるなど全米にその名を轟かせ、2005年のドラフト2巡目45位指名でフィラデルフィア・セブンティシクサーズに入団した。

 しかし、当時のシクサーズにはのちに殿堂入りするアレン・アイバーソンがエースとして君臨。ウィリアムズは控えの域を抜け出せず、30試合で平均4.8分出場、わずか1.8点に終わった。

 最初の転機が訪れたのは、2年目の06-07シーズン。開幕直後にDリーグ(現Gリーグ)行きを命じられたものの、リコールされた11日後にアイバーソンがデンバー・ナゲッツへトレードされたのだ。

 エース退団により徐々に出番が増え、3年目には平均2桁得点を突破。迎えた09-10シーズンにはついにスターターの座をつかんだが、09年12月にアイバーソンがチームに復帰したことで、再びターニングポイントを迎えた。
 
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