NBA

「このリーグでは誰もがオークションにかけられてしまうんだ」デュラントが今季のトレード戦線を語る<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.02.11

デュラントがビッグネームの移籍が相次いだ今季のトレード戦線を語った。(C)Getty Images

 現地時間2月6日(日本時間7日、日付は以下同)、NBAはトレード・デッドラインを迎えた。今季はルカ・ドンチッチがロサンゼルス・レイカーズ、アンソニー・デイビスがダラス・マーベリックス、ディアロン・フォックスがサンアントニオ・スパーズ、ザック・ラビーンがサクラメント・キングス、ジミー・バトラーがゴールデンステイト・ウォリアーズ、アンドリュー・ウィギンズがマイアミ・ヒートへ移籍と、ビッグネームのトレードが相次いだ。

 そのなかで、バトラーの移籍先候補に挙がっていたフェニックス・サンズは、移籍期限当日にローテーション外だったユスフ・ヌルキッチをシャーロット・ホーネッツへ手放し、コディ・マーティンとヴァシリエ・ミチッチ、トレード・エクセプションを獲得する動きにとどまった。

 チームを牽引するデビン・ブッカー、ケビン・デュラント、ブラッドリー・ビールのビッグ3のうち、ビールにはデュラントとのトレードの噂があった。現行契約にトレード拒否条項を持つビールは放出が予想されていたのだが、結局サンズに残留。

 もっとも、サンズのジェームズ・ジョーンズGM(ゼネラルマネージャー)がトレード期限終了後に「ブラッドとトレード拒否条項について話し合いを持ったことはなかった。私に言えるのは、それが話し合いをする上で重要なトピックなのは間違いなかった」と語っていたことから、もともと手放すプランはなかったのだろう。

 一方のデュラントは、来季終了後に完全FA(フリーエージェント)になるものの、延長契約の話は進んでおらずトレードも囁かれていたが、こちらも残留となった。

 そうした中、10日のチーム練習時に、デュラントが今季のトレード・デッドラインについて口を開いた。
 
「結局はビジネスなんだ。このリーグでは誰だって操作されてしまう。誰もがオークションにかけられてしまうんだ。俺もそのことを痛感したよ。あとはコートに戻って、愛するゲームをプレーしていくだけさ。トレードはビジネスではあるけど、俺たちはそのことを理解しなきゃいけない」

 現在、デュラントは足首捻挫のため3試合連続欠場中で、サンズはウエスタン・カンファレンス11位の26勝26敗(勝率50.0%)にとどまっている。

 今後チームは11日にメンフィス・グリズリーズ、翌12日にヒューストン・ロケッツとの2連戦をこなしてオールスターブレイクへ入り、20日のスパーズ戦から後半戦がスタート。

 プレーイン・トーナメント進出最終枠にいる10位のゴールデンステイト・ウォリアーズ(27勝26敗/勝率50.9%)と0.5ゲーム差、プレーオフへ自動的に出場できる6位のロサンゼルス・クリッパーズ(29勝23敗/勝率55.8%)とは3.0ゲーム差。まだ上位進出のチャンスはあるが、ここからは1試合ごとの重みが増すだけに、毎試合、高い集中力で臨む必要があるだろう。

 今季のサンズはデュラントが欠場した13試合で2勝11敗と大きく負け越しているだけに、チーム全体にネクスト・マン・アップ(次の選手が代わりを果たす)の精神が求められる。

文●秋山裕之(フリーライター)

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