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血栓で離脱後もウェンバンヤマは献身的にチームをサポート。新相棒フォックスは「一緒にいるだけでエネルギーをもらえる」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.03.08

血栓で今季終了となったウェンバンヤマだが、シーズン終了までできる限りチームに帯同するという。(C)Getty Images

 右肩の深部静脈血栓症と診断され、現地時間2月20日にレギュラーシーズンの全休が発表されたサンアントニオ・スパーズのヴィクター・ウェンバンヤマ。キャリア2年目の21歳は、3月2日に本拠地フロストバンク・センターで行なわれたオクラホマシティ・サンダー戦で、離脱後初めて公共の場に姿を現わし、コートサイドからチームメイトを激励した。

 上下ブラックのトラックスーツに身を包んだウェンビーがコートサイドに現われると観客から「ウェンビー!」の大声援。試合は132-146で敗戦となったが、若きエースの元気な様子は、ファンたちにとっても、治療の経過が順調であることを示すポジティブな機会となったことだろう。

 そんなウェンバンヤマの存在について、2月上旬にトレードでサクラメント・キングスから加入したディアロン・フォックスは「一緒にいるだけで気分が上がるし、ものすごくエネルギーをもらえる」と語っている。

「今、彼にできることは限られてはいるけれど、チームのためにできる限りのサポートをしたいと思ってくれている。時代を代表する才能の持ち主と言われ、みんな彼がコート上でどんなプレーができるかを知っている。そんな彼が側にいてくれるんだ。彼の人柄を知るにつれ、彼が心底、周囲の人たちの成功を願っているということがわかるよ」

 長期療養となった場合、チームを離れる選手は少なくないが、ウェンバンヤマはこの試合の2日前にはトレーニング場にも顔を出したように、常にチームに近い場所に身を置いている。
 
 オールスターブレイク後、スパーズはホームゲームをテキサス州オースティンのムーディー・センターで開催していたため、しばらく遠征が続いていた。ただ、フォックスによれば、その間もウェンバンヤマは、スパーズのすべての試合を視聴し、試合の感想やフィードバックなどをチームのグループチャットに送ってきていたそうだ。

 今季は46試合で平均24.3点、11.0リバウンド、リーグトップの3.8ブロックと、最優秀守備選手賞の候補に挙がる活躍だった。それだけに、シーズンが一足早く終了してしまったのは本人も無念に違いないが、ミッチ・ジョンソンHC(ヘッドコーチ)代行は、久々にサンアントニオで再会したウェンバンヤマがとても元気な様子であったと、サンダー戦前の会見で語っている。

「とても元気にしているよ。笑顔で、チームメイトたちと再会できて嬉しそうだったし、彼らも彼に会えて嬉しそうだった。お互いにしばらく会えていなかったから、(ウェンバンヤマの)活力に満ちた様子を見られたのは良かったね」
 
 コーチ曰く、手術や治療についてはまだ医療チームから明かされていないとのことだが、当初の見解通り、来シーズンには100%の状態で復帰できる模様だ。

 そして「彼のような人物には、近くにいてほしいから」と、今後もできる限りチームと行動をともにする予定だという。

 スパーズはウェンビー離脱後に今季初の4連敗を喫するなど、プレーインを狙える位置から後退してしまったが、終盤戦に向け、彼のコート外からの献身的なサポートはチームに力をもたらすことだろう。

文●小川由紀子

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