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NBA

崖っぷちの一戦で快勝したロケッツ。主砲シェングンは「負ける選択肢なんてなかった」と逆転突破へ決意<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.05.02

センターながらプレーメーカーとしてもチームを牽引するシェングン。第5戦に快勝して望みをつないだ。(C)Getty Images

センターながらプレーメーカーとしてもチームを牽引するシェングン。第5戦に快勝して望みをつないだ。(C)Getty Images

 プレーオフでゴールデンステイト・ウォリアーズと熱戦を繰り広げているヒューストン・ロケッツ。現地時間4月30日には負けたら敗退のゲーム5に131-116と快勝して、第6戦に望みをつないだ。

 勝利の原動力となったのは、トルコ人センターのアルペレン・シェングンだ。

 15得点、9リバウンド、9アシスト、2スティール、2ブロックと、攻守にわたっての奮戦ぶりは数字も物語るが、とりわけ、ゲームの流れを引き寄せることに成功した立ち上がりの働きぶりは目覚ましかった。

 ジェイレン・グリーンやディロン・ブルックスのシュートを次々とお膳立てし、前半だけで8アシストを記録。現地メディアによれば、NBAのプレーオフ史において、センターが前半、あるいは後半のハーフだけで8アシストを記録したのは、ニコラ・ヨキッチに次いで2人目だという。

 リードチェンジを繰り返した前の4試合と異なり、最初に奪ったリードを守り切っての勝利に、キャリア4年目で初の大舞台を戦うセンターは充実感を滲ませた。

「ここまでの4試合はリードが何度も入れ替わる展開だった。だから、彼らに逆転を許さなかったのは僕たちにとっては良い兆候だ。誰もここで終わりにする気なんてなかったし、自分たちには負ける選択肢なんてなかった」と、シェングンは試合後の会見で語った。
 
 このプレーオフに向けて、ロケッツの勢いに一層火をつけたのは、レギュラーシーズンも佳境を迎えた4月4日のオクラホマシティ・サンダー戦だった。ウエスタン・カンファレンスで断トツの首位チームに対し、ウォリアーズとの第5戦と同様、第1クォーターで奪ったリードを守り切って125-111で勝利した。

「朝、みんなでお互いの顔を見た。その時に『やれるぞ』と感じて僕らは戦った。そうやって貪欲になった時、このリーグで僕らに勝てるチームはいないと思っている」

 彼は試合後、この一戦に挑んだチームのマインドをそう振り返っている。

 この試合では、シェングン(31得点) とグリーン(34得点)の2人だけでチーム総得点の半分以上を叩き出したが、「僕たちは常に話し合い、コミュニケーションを大切にしている。この試合の前にも、チームを引っ張ろうと誓い合ったんだ」と付け加えた。

 ロケッツのスターティングセンターに定着し、プレー面のみならず、チームを牽引する存在としても成長していることがうかがえるシェングンのコメントだ。

 ヒューストンに戻って戦うことを誓うロケッツの面々は、はたして敵地チェイス・センターで行なわれるゲーム6でウォリアーズを退け、最終戦に持ち込むことができるか。運命の一戦は2日(日本時間3日)に行なわれる。

文●小川由紀子

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