現地時間６月15日（日本時間16日、日付は以下同）、オーランド・マジックとメンフィス・グリズリーズの間で大型トレードが成立した。マジックはケンテイビアス・コールドウェル・ポープ（KCP）、コール・アンソニーに加え、2025年ドラフト１巡目16位指名権、2026年１巡目指名権、2028年１巡目指名権、2029年１巡目指名権交換権（トップ２プロテクト）、2030年１巡目指名権を放出し、グリズリーズからデズモンド・ベインを獲得した。

　KCPは2020年にロサンゼルス・レイカーズ、2023年にデンバー・ナゲッツで優勝を経験したベテランウイング。アンソニーはベンチから得点を量産できるインスタントスコアラーで、今季は平均9.4点をマークした。

　一方のベインは196㎝・98kgのシューティングガードで、今季は69試合に出場し、平均19.2点、6.1リバウンド、5.3アシスト、1.2スティール、フィールドゴール成功率48.4%、３ポイント成功率39.2%（平均2.4本成功）、フリースロー成功率89.4%を記録。

　マジックはパオロ・バンケロやフランツ・ヴァグナーを中心に、フォワード陣が攻撃を牽引しているが、昨季は２年連続でプレーオフに進出したものの、いずれもファーストラウンドで敗退している。

　近年、チームは得点力不足に苦しんでおり、今季の３ポイント成功率31.8%はリーグ最下位。プレーオフでも、出場チーム中ワーストの26.3%にとどまった。

　新加入のベインは驚異的な身体能力は持たないものの、３ポイント成功率はデビューから５年連続で38%以上、今季のキャッチ＆シュート成功率は42.3%と高水準を誇った。
  　16日、来季のチームでバックコートを結成することが予想されるガードのジェイレン・サッグスは、米スポーツ専門局『ESPN』の『SportsCenter』でベインについて次のように語っていた。

「彼とは対戦経験があり、一緒にプレーした人たちからも話を聞いている。彼のメンタリティーはエリートで、ここ数年リーグトップクラスのシュート力を持っている。キャッチ＆シュートも高確率で決めてくれるだろう」

　サッグスは「彼の加入で、ポイントガードからパワーフォワード、センターまで全員がボールを持ってプレーメークできるチームになる。アグレッシブな守備とアクティブな動きも加わり、チーム全体のフィジカルとマインドセットが向上するだろうね」と期待を膨らませた。

　来季のマジックは、サッグス、ベイン、バンケロ、F・ヴァグナー、ウェンデル・カーターJr.が先発を務めることが予想される。

　トレード後、サッグスはチームのバスケットボール運営部代表ジェフ・ウェルトマンに「彼ほどの能力を持つ選手が加わるのは楽しみだ。彼に『チャンピオンシップを目指す旅をともに始めることを楽しみにしている』とメッセージを送った」と明かした。

　なお、マジックはベインの加入に従い、ギャリー・ハリスとコーリー・ジョセフの来季契約を破棄したことを発表。先発陣を強化した今、リザーブ陣の編成にも注目が集まる。

文●秋山裕之（フリーライター）

「僕はずっとLAにいたい。LAでキャリアを全うしたいんだ」。移籍の噂が絶えないリーブスがレイカーズでの引退を希望＜DUNKSHOOT＞

「精神的に疲れ、ストレスが大きかった」名手ピアースがコビーとの対戦を回想「マンバの目を見た時、ジョーダンの姿が映った」＜DUNKSHOOT＞

衰え知らずの35歳デローザンが身体のケアについて語る「僕は自分の身体の研究家なんだ」＜DUNKSHOOT＞