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「機会さえあればオールスターにだってなれる」ヒート加入のパウエルが決意表明!トレードの悲しみを喜びに変えた“憧れの存在”も<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.07.10

昨季は初のオールスター選出まであと一歩に迫ったパウエル。新天地でさらなる躍進を期す。(C)Getty Images

 現地時間7月7日(日本時間8日)、ロサンゼルス・クリッパーズ、マイアミ・ヒート、ユタ・ジャズの3チーム間トレードが成立。クリッパーズはジョン・コリンズ、ヒートはノーマン・パウエル、ジャズはケビン・ラブとカイル・アンダーソン、2027年のドラフト2巡目指名権を獲得した。

 この動きでクリッパーズは昨季チーム2位の平均21.8点を記録したパウエルと引き換えに、ジャズで昨季平均19.0点、8.2リバウンドを残したビッグマンのコリンズを加えてフロントコートを増強。

 一方のヒートはサイン&トレードでダンカン・ロビンソンがデトロイト・ピストンズへ移籍し、シモーネ・フォンテッキオを加えた後に、即戦力スコアラーであるパウエルの獲得に成功した。

 193cm・98kgのパウエルは、2015年のドラフト2巡目全体46位でミルウォーキー・バックスから指名されてNBA入り。トロント・ラプターズ、ポートランド・トレイルブレイザーズを経て2022年2月にクリッパーズへ加入した。
 
 直近6シーズン連続で平均2桁得点をマークし、クリッパーズ在籍4年目の昨季はキャリアハイの平均21.8点に3.2リバウンド、2.1アシスト、1.22スティール、フィールドゴール成功率48.4%、3ポイント成功率41.8%(平均3.0本成功)、フリースロー成功率80.4%と自己最高のシーズンを送った。

 カワイ・レナード、ジェームズ・ハーデン、イビツァ・ズバッツらと主軸を務めた男は、9日に新天地の地元メディア『Miami Herald』に公開された記事の中で、トレードを知った直後の心境を明かした。

「電話をもらって、自分がトレードされたと言われた。予想していなかったからショックだったよ。キャリア最高の1年を送って、延長契約の話をしていくものだと信じていたから」

 ドラフト当日も含めて、通算4度目のトレードを経験したパウエルの現行契約は残り1年。来季は2048万ドル(約29億9700万円)の高額年俸を受け取る32歳は、昨季オールスター級の成績を残し、今夏にクリッパーズと延長契約を結ぶつもりでいたのだから、ショックを受けるのも当然だろう。

 もっとも、移籍先がヒートだったことで喜びに変わった。「マイアミと聞いて本当にワクワクした」と話したパウエルは、ヒートでプレー経験のあるチームメイトたちから「あそこは街、ファン、それに組織としても素晴らしい」と聞かされたという。

 そして「子どもの頃、僕はドゥエイン・ウェイドの大ファンだったんだ。ヒートでプレーすることを望んでいた。いろいろなことを経て、幼少期に夢見ていた時に戻ったようだ」と、前向きな気持ちで新天地へと旅立った。
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「機会さえあればオールスターにだってなれる」と自信