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ケガ人復帰のウィザーズがイースト9位に浮上!指揮官は「勝ち癖をつける機会」と選手間の競争を歓迎

秋山裕之

2020.02.09

ウィザーズは八村と同日にビッグマンのモリッツ・ヴァグナーも復帰するなど、メンバーが少しずつ揃いつつある。後半戦はポジション争いも熾烈になりそうだ。(C)Getty Images

 八村塁の所属するワシントン・ウィザーズは2月8日(日本時間9日、以下同)、イースタン・カンファレンス9位へ浮上。8位のオーランド・マジック(22勝31敗)とは2.5ゲーム差まで縮まっており、プレーオフ進出の可能性も出てきた。

 10位以降にシカゴ・ブルズ、デトロイト・ピストンズ、ニューヨーク・ニックスといったチームが僅差で続いている中、今後ウィザーズがどこまで勝ち星を伸ばし、この団子レースを抜け出すことができるかは興味深い。

 6日のトレード・デッドラインで、ウィザーズはアイザイア・トーマスをロサンゼルス・クリッパーズ(その後解雇)、ジョーダン・マクレーをデンバー・ナゲッツへ放出。代わりにミネソタ・ティンバーウルブズからシャバズ・ネイピアー、クリッパーズからジェローム・ロビンソンを加えた。今後について、トミー・シェパードGM(ゼネラルマネジャー)はこう語っている。

「このチームが今後どう戦うか、『プレーオフへ勝ち進むな』とは言わない。もちろん、勝てるだけ勝ちたいが、もっと大切なのはどれだけ成長することができるか、だ。私としては選手たち個々の成長が見たいね。チームが全体的に成長することによって、これから先の(チームの)動きも範囲が広がってくると思う」
 
 また、スコット・ブルックス・ヘッドコーチは、次のように述べた。

「チームの成長というのは、勝利することによって養われることもある。勝ち癖をつけることだ。だが、ただ若手を試合に出せばいいというわけではない。今シーズンはここまでケガ人が多く、そういう状況もあった。でも、(選手の)頭数が揃ったことで、出場時間を得るための競争も激しくなる。(今まで)30分プレーしていた選手が、15分にとどまる可能性もある。皆に成長するチャンスがあるということ。コーチ陣にとっては嬉しい状態だ。トーマス・ブライアントは(右足のストレス反応のため)欠場中だが、ほかの選手たちが戻ってきたことで、練習でも試合でも、激しく競争しているよ。ここ2日間の練習を見ても、すごく激しくなっている。これはチームの皆にとって朗報だ」

 ウィザーズが本格的にプレーオフ争い、あるいはチャンピオンシップ争いに参戦するのはジョン・ウォールが完全復活する来シーズンになる。今季プレーオフに出場できれば喜ばしいことだが、あくまで今シーズンは2枚看板のウォール、ビールとプレーするのにふさわしい選手は誰なのかを見極めるのが、メインテーマと言えるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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