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NBA

ノビツキー獲得を巡り繰り広げられた息詰まる駆け引き。2000年代のNBA勢力図に影響を与えたドラマ【NBAドラフト史:1998年】

大井成義

2020.02.27

バスケ歴わずか数年でドラフト1位指名されるというシンデレラストーリーの主役を演じたオロウォカンディだったが……。(C)Getty Images

バスケ歴わずか数年でドラフト1位指名されるというシンデレラストーリーの主役を演じたオロウォカンディだったが……。(C)Getty Images

 レギュラーシーズンをブービーで終えたトロント・ラプターズと、下から4番目のメンフィス(当時バンクーバー)・グリズリーズは、エクスパンションチームの規約のため、仮にロッタリーで1位になったとしても2位に格下げとなる。

 抽選の結果、案の定グリズリーズが1位となり、規約に則り2位のクリッパーズに1位指名権が与えられた。最終的に1位クリッパーズ、2位グリズリーズ、3位ナゲッツ、4位ラプターズ、5位ウォリアーズに確定する。

 1位指名の最有力候補は、アリゾナ大2年のマイク・ビビー。前年に同校初のNCAAタイトル獲得の原動力となり、翌年もPac-10(パシフィック10カンファレンス=現パシフィック12カンファレンス)の最優秀選手に選出。卓越したシュート力と堅実なゲームメークは高い評価を得ていたが、ドラフト前に複数のチームからワークアウトの要請を受けながら、地元アリゾナに近いクリッパーズ以外すべて固辞するという行為を疑問視する声もあった。
 
 もう1人の1位候補が、パシフィック大4年のオロウォカンディ。カンザス大3年のオールラウンダー、ポール・ピアースがトップの2人に続いた。ピアースは4位以内の指名が確実視され、なかには2位に予想するメディアもあった。

 次いで同校4年のリーフ・ラフレンツ、そして直前のシーズンに全米最優秀選手賞をはじめ、多くの個人タイトルを獲得したノースカロライナ大3年のアントワン・ジェイミソン、彼のチームメイトで親友の同3年、ヴィンス・カーターらが上位指名候補に名を連ねていた。

『ニューヨーク・デイリーニューズ』紙が予想した指名トップ5は次の通り。1位ビビー/クリッパーズ、2位オロウォカンディ/グリズリーズ、3位ピアース/ナゲッツ、4位ロバート・トレイラー/ラプターズ、5位ジェイミソン/ウォリアーズ。

 ロッタリーから1か月後の1998年6月24日、トロントに続き2度目のアメリカ国外開催となるNBAドラフトが、カナダ西海岸のバンクーバーで開催された。
 
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