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国内バスケ

【連載インタビュー】渡嘉敷来夢/後編「オリンピックでは『日本のバスケは楽しい』と思ってもらえる試合をして、日本のバスケを盛り上げたい」

小永吉陽子

2020.05.15

WNBAのストームでは3年間プレー。1年目に平均8.2点、3.3リバウンドをあげ、オールルーキーチームに選出された。(C)Getty Images

WNBAのストームでは3年間プレー。1年目に平均8.2点、3.3リバウンドをあげ、オールルーキーチームに選出された。(C)Getty Images

――WNBAでは試合に出られないこともあり、日本では味わったことのない悔しさを経験したのでは?

試合に出られないことがいちばん大きい経験だったかもしれません。試合に出られないこともそうですし、途中から出て流れを変えること、周りと合わせる難しさ、5分~10分という短い時間の中で自分の120%を出すこと……。日本では経験したことがないことを、高いレベルで経験できたのはいい勉強になりました。

――WNBAに身を置いて、厳しい世界だと感じたのはどういうところですか?

チームメイトとの競争ですね。トライアウトからピリピリした空気が流れていました。朝、練習に行ったらカットされた選手の荷物がなかったり、お別れもできないままの選手がいたりして、その場はしんみりするんです。でも練習が始まると「次は自分かもしれない」という恐怖心と戦わなくてはならないので、それは大変でした。リーグ中にもトレードがあるし、カットされることもあります。そういう世界は初めてだったので衝撃でした。日本だったらシーズンが終わってから契約更新するので、去っていくチームメイトとさよならができるけれど、WNBAはそれが突然やって来るえげつない世界です。でもこれが世界のトップリーグなのか、とは思いました。
 
――試合に出られないときはどういうメンタルで臨んでいたのですか?

「自分が劣っているのだからもっと頑張ろう」「コーチには考えがあって同じ選手を出し続けているんだ」と言い聞かせてはいましたが、「こっちは練習をしっかりして待ってるぞ、体も温まっているぞ」と思いながらベンチにいましたね。でもGMは自分のことを買ってくれていたのか、「こういう流れの中ではゲームに使えなかった」という理由を話してくれたので、「また頑張ればいいんだ」と切り替えることができました。あとはもう、カットされたらされた時だと思いながらやっていましたね。自分の居場所を確保するにはプレーで自分を表現しないといけないので、そういう意味ではメンタルは鍛えられました。
 
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