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国内バスケ

【連載インタビュー】渡嘉敷来夢/後編「オリンピックでは『日本のバスケは楽しい』と思ってもらえる試合をして、日本のバスケを盛り上げたい」

小永吉陽子

2020.05.15

2016年のリオ五輪ではチーム最多の平均17.0点、6.3リバウンドの好成績を残し、ベスト8の立役者となった。(C)Getty Images

2016年のリオ五輪ではチーム最多の平均17.0点、6.3リバウンドの好成績を残し、ベスト8の立役者となった。(C)Getty Images

――通訳として、桜花学園高時代のチームメイトである大西ムーアダイアンまどかさんが2シーズン帯同しましたが、言葉の面での苦労したことは? 

ダイアンがいたのはすごく心強かったです。練習でも日常でも、ダイアンとチームメイトとコミュニケーションを取りながらやっていました。でも、試合ではダイアンの声は伝わらないし、いちいち通訳は待っていられないので、そこは何とか自分で頑張りました。

もしかしたらチームメイトからは「伝わらないなあコイツ」「コイツはイエスとノーしか言わないな」って思われていたかもしれません。でも、なるべく自分で返事をしようとしました。ダイアンに「こういう時は何て返事すればいいの?」と教えてもらってから自分で返事をしたり、コート外でも耳に入ってくる英語を一生懸命に理解しようとしました。わからないから会話に入らないんじゃなくて、わからなくてもコミュニケーションで積極性を出せば、なるようにはなっていましたね。

でもポイントガードだと大変かもしれません。試合中にしっかりと発音して伝えなきゃいけないので。「スイッチ」ひとつでも発音が違うんですよ。日本だと「スイッチ、スイッチ、スイッチ」って声の連絡をするじゃないですか。でもアメリカでは私が言うと「スイ、スイ、スイ」と聞こえるみたいです。「ライト」や「レフト」みたいな簡単な言葉でも、一回一回を大きな声ではっきり言ったほうがいいとアドバイスをもらいました。最低限、自分が発する言葉はめちゃ練習しましたね。
 
――前回のリオ五輪では強豪国から3勝をあげてベスト8と健闘しました。自身のパフォーマンスの手応えは?

WNBAであまり試合に出してもらえないままオリンピックに出たので、試合に出たい欲が強すぎる中で試合をしていました。だから「オリンピックだ!」というより、「試合だ!」という思いで臨んでいましたね。いい意味で緊張はあったけど、「オリンピックだ」という緊張感ではなく、わりといつも通りでした。WNBAで試合に出ていたらもっといいパフォーマンスができたとも思いますが、それは“たれらば”ですし、その時の自分ができる最大限のパフォーマンスをしたと思います。

――シアトル・ストームであまり試合に出る機会がなくても、日本代表では合流してすぐにエースの働きが求められました。その難しい課題をどうやってクリアしたのでしょうか。

日本代表ではエースとして最後を託してもらえるので、「自分がやってやるぞー!」という気持ちでやりました。それに、「自分はもっとできるんだぞ」「本当の自分はこうなんだぞ」というところをアメリカ代表やシアトルのチームメイトに見せたい思いがありましたね。だって、本当に悔しかったんです。シアトルでは試合に出たくて、出たくてしかたなかったので。でもだからこそ、積極的になれていい結果に結びついたのかなと思います。
 
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