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NBA

NBAでの2度の優勝を経て、欧州屈指のプレーヤーとなったノリス・コールの物語

小川由紀子

2020.06.07

 アメフトでも奨学金をオファーされたほどの万能アスリートだったコールは、2011年のNBAドラフトでシカゴ・ブルズから1巡目28位で指名を受ける。しかしすぐにミネソタ・ティンバーウルブス、そしてマイアミ・ヒートへとトレードされるなど、いきなりチームを転々とする幸先の悪いスタートに。しかし本人ものちに「一番いい状況がやってきた」と振り返ったように、レブロン・ジェームズ、ドゥエイン・ウェイド、クリス・ボッシュの“ビッグ3”が君臨していた最強ヒートでルーキーイヤーを迎えたことで、結果的に2度のリーグ制覇を経験する幸運に授かることができたのだ。

 マリオ・チャルマーズのバックアップとして、1年目は平均6.8点とまずまずの数字をマーク。“ウェイドとのパス交換からレブロンへのアリウープをお膳立て”といった、なんとも豪華なコンビプレーも経験している。

「トッププレーヤーたちと毎日一緒に練習できる。それを、キャリアの駆け出しの時に体験できたのは、本当にすごいことだった。NBAで望みうる最高の出来事であるチャンピオンシップ獲得を、2度も味わえたんだからね」
 
 当時をそう回顧したコールだが、キャリア4年目の2014-15シーズン途中にニューオリンズ・ペリカンズへと放出されると、翌年は自己ベストの平均10.6点を記録。にもかかわらずオフに新たな所属先を見つけることができず、中国リーグの山東ゴールデンスターズと契約した。

 しかし異国の地では9試合プレーしたのみで、2017年3月にNBAに復帰。オクラホマシティ・サンダーの一員としてプレーオフにも出場したが、結果として現時点ではこれがNBAでのラストイヤーとなっている。

 2017-18シーズン、戦いの場をヨーロッパに移したコールは、マッカビ・テルアビブ(イスラエル)に所属しユーロリーグに初参戦。翌18-19シーズンはイタリアリーグのスカンドーネに移籍し、FIBAヨーロッパが主催するバスケットボール版チャンピオンズリーグに出場すると、平均16.1点、4.4リバウンド、6.6アシストとMVP級の活躍を披露した。
 
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