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NBA

NBAでの2度の優勝を経て、欧州屈指のプレーヤーとなったノリス・コールの物語

小川由紀子

2020.06.07

 しかしクラブの財政破綻により退団を余儀なくされ、16年ぶりのユーロリーグ出場で補強に積極的だったブドゥチノスト・ヴォリに加入。シーズン途中、しかもチーム合流からわずか数日でのデビューとなったが、そのバイエルン戦でゲームハイの27得点、6アシストと、元NBAチャンピオンの実力を遺憾なく見せつけた。

 マッカビではリーグ優勝、ヴォリでもリーグとカップの2冠を達成。マイアミでの2連覇に始まったコールのキャリアは、どうやらトロフィーに縁があるようだ。

 ヒート退団後は短期間でチームを転々としているが、そんな状況にも、「俺は大好きなスポーツをやって生きている。“自分は恵まれている”ということを、常に忘れないようにしているんだ」と地に足がついている。
 
 ヒート時代の仲間たちとはいまだに連絡を取り合っており、特に仲が良いウェイドは、「俺たち2人の間には、特別なものがある」と話す。つい先日のポッドキャストでも、ヒート時代に「ハーフコートからシュートを決めたら俺のポルシェの鍵をやる」というウェイドからの賭けの申し出に、コールが見事に勝って実際にポルシェを貰い受けたとのエピソードを、2人で和やかに語っていた。

 また、ともにオハイオ出身で同郷のレブロンとも、自宅に招かれるほどの関係性を築いていた。コールはヒート時代の先輩たちにとって、かわいい弟分だったようだ。

「俺は、自分のクラブやチームメイトたちにインスピレーションを与える選手になりたい。そして、バスケットボールを通じてみんながひとつになれたら良いと願っている。それが俺のモチベーションだ。神様が自分に与えてくれた力を最大限に使ってね」

 クリーブランド州大でチーム史に名を刻み、永久欠番になっている背番号30は、その後も背負い続けている彼のラッキーナンバーだ(ヴォリ時代はすでに使用者がいたため3を着用)。来季はユーロリーグの舞台で、元気にコートを駆け回る“30 COLE”を観ることができるだろう。

文●小川由紀子

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