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NBA

【名作シューズ列伝】メンバー落選で“幻”となった五輪モデル。アイザイア・トーマスの「ASICS GEL-SPOTLYTE」

西塚克之

2020.06.23

ASICS GEL-SPOTLYTE(復刻版)

ASICS GEL-SPOTLYTE(復刻版)

 ピストンズは88年にファイナルへ進出するも、レイカーズに3勝4敗で惜敗。それでもアイザイアは第6戦で足首を痛めながらも第4クォーターだけで25得点(計46得点)を叩き出すなど、大舞台で最高級の輝きを放ちました。翌年にもファイナルに勝ち進んだピストンズは、レイカーズをスウィープ(4連勝)し、翌90年にもポートランド・トレイルブレイザーズを4勝1敗で打ち破り、連覇を成し遂げました。

 91年のプレーオフ、3連覇を狙うピストンズは順当にカンファレンス決勝に駒を進めます。しかし、イーストの頂上決戦ではジョーダンやスコッティ・ピッペンを中心に力をつけたブルズにスウィープ負け。これによりNBAの主役はアイザイアからジョーダンに代わったのですが、第4戦の終盤に事件が起こりました。

 大差をつけられたピストンズのアイザイアは終了のブザーを待たず、相手の健闘を称えることなく、主力メンバーを連れてロッカーへ引き上げたのです。このスポーツマンシップに欠けた行為は、大きな批判を浴び、ドリームチームメンバー落選の決定打になったと言われています。
 
 前置きが長くなりましたが、アイザイアは91年にPUMAからASICSへ移籍。低身長のガードのためのシューズをアイザイアと共同開発したのが「ASICS GEL-SPOTLYTE」です。ASICSの中でも数少ないシグネチャーは卵を上から落としても殻が割れない広告で一世を風靡した、衝撃吸収材「GEL(ゲル)」を搭載し、上質な素材と丁寧な縫製。硬めではありますがバスケットの動きからパターン化されたソールなど、ブランドの技術を詰め込んだハイクオリティな1足になっています。

 92年、バルセロナオリンピックでのプロ選手の参加解禁は、アイザイアと契約したASICSにとって市場を拡大する大きなチャンスでした。しかも、ドリームチームの発起人と言われたマジック・ジョンソンは彼の親友。当然、メンバーに選出されるだろうと思い、ブランドはUSAのチームカラーの「ASICS GEL-SPOTLYTE」を製作したのです。

 しかし――。
 

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