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NBA

スローンを名将たらしめた厳格さと優しさ、そして周囲への尊敬の念。「ジャズの選手で彼を悪く言う者はいない」と評された名指揮官の物語

杉浦大介

2020.07.03

「(スローンに)率いられたチームは精神的にタフで、チーム重視で、対戦するのは容易ではなかった。厳格なコーチだったが、一方で尊敬の念を忘れなかった。私が知る限り、ジャズの選手で彼を悪く言う者はいなかった」

 自身がNBAチームのコーチだった時代、スローン率いるジャズと何度も対戦したジョージ・カール(元ソニックスHCほか)はESPN.comの記事でそう述べていた。

 オールドスクールな指揮官だったスローンは、ゲーム中にレフェリーに罵声を浴びせることも頻繁だった。2003年には抗議中にレフェリーに接触し、7試合の出場停止処分を受けている。

 ただ、それほどの熱血漢であっても、レフェリー、対戦相手、そして自軍の選手たちへのリスペクトを常に感じさせたがゆえに、愛すべきHCであり続けたのだろう。2010年にパット・ライリー(元ロサンゼルス・レイカーズHCほか)を抜き、通算勝利数で歴代3位(当時)となった際のコメントも印象深い。

「数字は気にしたことがない。私は素晴らしいチームで仕事ができた。このチームは長期にわたって私に残る機会を与えてくれた。そのことと、私とともに仕事をしてくれたコーチ陣にとても感謝している。重要なのは私じゃないんだ」
 
 少しでもスローンに接したことがある人なら、こういった言葉が口先だけのものではないとすぐに理解できるはずだ。2011年の退任は当時のエース、デロン・ウィリアムズとの確執が原因と伝えられた。その後、ウィリアムズは2018年にスローンの元を訪れて謝罪。最終的に2人は和解したが、教え子と再会した際も、スローンは厳しい態度をなかなか崩そうとしなかったという逸話が残っている。

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