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NBA

レブロンに抜かれるまでNBA記録を保持。名脇役フィッシャーの“偉大な記録”と“レイカーズ愛”とは

秋山裕之

2020.11.12

同期入団のコビーとは苦楽をともにし、5回の優勝を共有。絶対的な信頼関係を築き上げた。(C)Getty Images

同期入団のコビーとは苦楽をともにし、5回の優勝を共有。絶対的な信頼関係を築き上げた。(C)Getty Images

 アレン・アイバーソン率いるフィラデルフィア・セブンティシクサーズとのファイナル初戦で延長の末に惜敗したものの、翌第2戦から4連勝で2連覇を達成。シーズン最後の24試合で23勝をマークし、プレーオフを当時史上最高となる15勝1敗(勝率93.8%)で駆け抜けた。

 キャリア18年のうち、フィッシャーは約13シーズンをレイカーズでプレー。コビーの相棒として、クラッチシューターとして、そしてマジック・ジョンソンも絶賛した抜群のリーダーシップを発揮して、5度の優勝を勝ち取っている。

 身体能力こそ高くなかったものの、強靭なメンタルを持ち、鍛え上げられた肉体を武器にコートへ立ち続けた。アウォードやスタッツリーダーとは無縁だったが、計9シーズンで82試合にフル出場を果たしたことは彼の努力の賜物と言っていいだろう。

 11月11日に『HoopsHype』へ掲載されたインタビューの中で、フィッシャーは“レイカーズ愛”を語っている。

「私はずっと、レイカーズこそがベストなフランチャイズだと信じている。子どもの頃からレイカーズファンだったし、マジックや“ビッグゲーム”ジェームジ・ウォージー、バイロン・スコット、AC・グリーン、マイケル・クーパーたちを見てきた。まさか20年後に自分がそういう選手たちの仲間入りをするなんて想像もしていなかった。だからこそ、私はレイカーズがバスケットボールにおいてだけでなく、全てのスポーツにおいて、最も偉大なフランチャイズのひとつだと思っている。17回の優勝はものすごい業績だし、その数はもっと増えていくだろう。私はいつだってレイカーズがバスケットボール界でベストだと思ってきたし、それはこれからも変わらない」
 
 フィッシャーはプレーオフで数々のビッグショットを沈めてきた。01年のファイナル第5戦では6本の長距離砲をねじ込み、04年のカンファレンス準決勝第5戦ではスパーズ相手に残り0.4秒から起死回生のターンアラウンドジャンパーをヒット。10年のファイナル第3戦では試合終盤にセルティックスの3選手に囲まれながら決勝弾となるレイアップを決め、5度目の優勝につなげた。

 だが本人は、NBAキャリアで最もお気に入りの瞬間について聞かれると、「素晴らしい質問だ」と切り出し、こう続けた。

「王座を獲得する手助けができたことは、最高の瞬間のひとつだ。でもそれらの出来事はドラフトされた夜がなければありえなかったことだよね? だから私は1996年にドラフトされた夜を選ぶよ。全ては96年6月のドラフトから始まったんだ」

 現在は女子バスケの最高峰WNBAのロサンゼルス・スパークスで指揮官を務めるフィッシャー。憧れのレイカーズからドラフト指名され、5度の頂点に輝いたいぶし銀の名脇役は、自身6度目の優勝をコーチとして目指している。

文●秋山裕之(フリーライター)

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