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NBA

相性抜群のキッドとマーティンを引き裂いた「契約問題」。コンビ解消後は明暗が分かれ…【NBAデュオ列伝|後編】〈DUNKSHOOT〉

出野哲也

2021.03.14

ファイナルではキッド、マーティンともに良さを発揮するも、王者レイカーズの前に4連敗。頂点には届かなかった。(C)Getty Images

ファイナルではキッド、マーティンともに良さを発揮するも、王者レイカーズの前に4連敗。頂点には届かなかった。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・レイカーズ相手のファイナル第1戦でも、キッドは23点、10リバウンド、10アシストのトリプルダブル。第3戦でも30点、10アシストと奮闘したが、チームは3連敗を喫した。第4戦ではマーティンが奮起し、第1クォーターだけで17点、第4クォーターにも13点をあげ、計35得点と大活躍した。しかしそれでも6点差でネッツは敗れ、前評判通りとはいえ屈辱のスウィープ負けを喫してしまった。

「大事な試合だったのに、実力を出し切らないヤツがいた」。試合後、マーティンは7点しかあげられなかったチームメイトのキース・ヴァンホーンを批判した。誉められるような行動ではなかったが、それだけマーティンが情熱をもって試合に臨み、結果を出していたからこその言動だった。

■契約問題のゴタゴタが相性抜群の二人を別つ

 翌02-03シーズンは、キッドがチームトップの平均18.7点、マーティンがキッドに次ぐ16.7点をマーク。マーティンはフレイグラントファウルも1回だけに抑えるなど、精神面でも成長の跡をうかがわせた。
 
「彼は着実に成長している。すべてのことにアグレッシブに取り組んでいるし、RJ(リチャード・ジェファーソン)にも良い影響を与えている」とキッドもマーティンの成長を高く評価したが、彼にそうした変化をもたらしたのはキッドその人だった。

「ケニョンはジェイソンからたくさんのことを学んでいるはずだよ。ジェイソンはいつも冷静で、信頼できる人間だからね。みんな彼のためなら、崖から身を投げるくらいの覚悟があるのさ」(ジェファーソン)。チームメイトがキッドに寄せる信頼は絶大だった。

 2年連続でファイナルに駒を進めたネッツだったが、サンアントニオ・スパーズ相手に6戦で敗退した。その原因になったのはマーティンだった。第4戦までは3試合で20点以上を稼いでいたが、体調を崩した第5戦では4点、8ターンオーバー、第6戦では23本中20本のシュートを外して6点のみに終わった。
 
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