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NBA

相性抜群のキッドとマーティンを引き裂いた「契約問題」。コンビ解消後は明暗が分かれ…【NBAデュオ列伝|後編】〈DUNKSHOOT〉

出野哲也

2021.03.14

キッドは03年に再契約を結んだが、翌年にマーティンが移籍。名コンビはわずか3年で解消となった。(C)Getty Images

キッドは03年に再契約を結んだが、翌年にマーティンが移籍。名コンビはわずか3年で解消となった。(C)Getty Images

「練習でも試合でも決めてきたはずのシュートが入らなかった」と肩を落としたが、「これならヴァンホーンのほうがマシだった」と、前年のファイナルでの発言を引き合いに出されても反論はできなかった。

 シーズン終了後にFAとなり、一時はスパーズ移籍も囁かれたキッドだったが、結局6年9900万ドルの好条件で再契約。マーティンとのコンビは無事継続されることになった。しかし、続く03-04シーズンはカンファレンス準決勝で敗退。契約最終年を迎えていたマーティンは、初のオールスターにも出場し、平均16.7点、9.5リバウンドの自己ベストの成績でシーズンを終えた。

「ケニョンは、僕が一緒にプレーした中で最高のフォワードだよ。彼がいないのならネッツでプレーするつもりはない。チームに留まってもらうよう僕が説得するつもりだ」。キッドはマーティンの残留を望んだが、ネッツは最高限度額を支払ってまで引き留めるつもりはなかった。04年7月、マーティンはサイン&トレードでデンバー・ナゲッツに移籍した。
 
「ジェイソンも(移籍に)賛成してくれたよ。バスケットボール界有数のポイントガードとプレーできたのは素晴らしかった。3年間、俺たちは家族のようなものだったから去るのはつらいけど、これが最良の選択だ」。

 マーティンの決断を支持はしたが、キッドはチームに対する不満を隠さなかった。04-05シーズン、ネッツが開幕から不振に陥ると、キッドは公然とトレードを要求した。その後ヴィンス・カーターを獲得して成績も上向いたことで矛を収めたが、プレーオフでは05、06年と2年連続でマイアミ・ヒートに敗退。07-08シーズン途中にトレードでネッツを去った。その行き先は古巣のマブズ。

 すでに30代半ばとあって、かつてのようなコートでの圧倒的な支配力はなくなっていたが、代わりに老獪さを身につけていた。11年にはマーティンではなく、ダーク・ノビツキーの最良のパートナーとして、17年目にして念願のチャンピオンリングを手にした。
 
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