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NBA

波紋を呼ぶ八村塁・阿蓮兄弟への“差別発言”。NBAでも過去に選手やオーナーによる差別問題が<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2021.05.07

 また、この発言が明るみに出た4月26日(日本時間27日、日付は以下同)はちょうどプレーオフの時期で、クリッパーズもゴールデンステイト・ウォリアーズとの1回戦の真っ最中だった。当時チームに在籍していたクリス・ポール(現フェニックス・サンズ)らは試合をボイコットすることも視野に入れていたそうだが、最終的にはウォームアップジャージーを裏返しに着用してチーム名が見えないようにするなど、抗議の意思を示しながらゲームへ。しかし事件が影響したか、97-118で惨敗を喫している。

 スターリングはこの録音を「改ざんされている可能性もある」として発言を否定。しかし事態を重くみたアダム・シルバー・コミッショナーは、スターリングに罰金を科すとともに、リーグからの永久追放処分を下した。
 
 また、同じく2014年には当時アトランタ・ホークスのゼネラルマネージャーだったダニー・フェリーが、ルオル・デンに対し差別発言をしていたという疑惑が持ち上がり問題に。これは同年オフにフリーエージェントとなっていたデンを獲得する際のオーナー会議で、フェリーが「彼はグッドガイだが、完璧ではない。彼にはアフリカ(の血)が混ざっている。悪い意味で言っているわけではないが……表向きは立派な店構えだが、裏で贋作を売るような人間かもしれない」と発言したとされるものだった。

 これについてフェリーは「私自身の見解ではなく、スカウトからの報告書を読み上げただけ。ただ、ルオルにはきちんと謝罪するつもりだ」と釈明。実際にその後の調査で、フェリーがこの件に関して送った何万通ものメールや資料を徹底的に洗い出し、さらに20人近くの関係者から証言を集めた結果、この発言はフェリーのものではなく、また本人にも差別的意思が一切ないことが明らかにされた。

 ただ、フェリーは休職期間を経たのち、2015年にゼネラルマネージャーを辞任。潔白が証明されたとはいえ、この件が決断に影響したのは間違いないだろう。
 
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